虫と魚2016年04月13日 06時56分26秒

このあいだは「花と鳥」の図譜が登場しました。
いっぽうに「草木虫魚」という言葉もあって、自然界の生命のうち、植物界を「草木」で、動物界を「虫魚」で代表させる観念も古くからあります。


「ずいぶん昔」から部屋に住みついている虫と魚。


銅のクワガタはアフリカの工芸品で、緑青がいい味を出しています。


いっぽう真鍮の魚はインド生まれの工芸品。


どちらも、あまり理科趣味と関係ないように見えて、自分の中では緊密な結びつきがあります。あの頃(20余年前)は、まだ天文趣味が再燃する前で、理科趣味は何よりもまず生物要素と結びついていました。バケツで稲を育てたり、メダカを飼ったり、土壌動物の本を枕にしたり…。その延長線上に、こういう生物をモチーフにした品に惹かれる自分がいました。

(クワガタと一緒に買ったカリンバ、通称「親指ピアノ」)

と同時に、こういう素朴な手仕事に惹かれたのは、それが「自然そのもの」と、どこかで同一視されていたからだと思います。インドやアフリカ(と、ひとくくりにするのも相当大雑把ですが)での暮らしと「自然そのもの」は、もちろん全く異なるものでしょうが、イメージの中では隣り合っていました。


あるいは、当時も古物趣味の芽生えはありましたから、それと理科趣味の合体したところに、こういう古びた野趣を良しとする心根があった…というのが、いちばん実態に近いかもしれません。


どちらもお土産的な品なので、そんなに古い物ではないでしょうが(今でも作っているかもしれません)、今見てもなかなか面白い造形だと思います。

コメント

_ S.U ― 2016年04月13日 19時22分41秒

このクワガタの模型はリアルですね。甲虫の光沢自身がいぶした金属感がありますね。

 玉青さんは甲虫のプラモデルを作ったことがありますか。私は、イマイ(今井科学)のプラモデルのファンでしたので、確か同社のカブトムシとテントウムシを作ったような気がします。ぜんまいで歩いたと思いますが、あまりに昔のことで忘れました。

_ 玉青 ― 2016年04月14日 20時00分17秒

昔見たような気がかすかにしますが…自分で作ったことはないですね。
虫は本物の虫に限ると思っていたせいかもしれません。

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