明治地質学の精華(1)2016年04月24日 09時16分30秒

熊本地震の報道で、たびたび「中央構造線」というタームを目にしました。
そして、それが明治の昔に提唱された古い概念だと知り、いっそう興味を覚えました。
地震学につづき、ここで地質学の古い扉を叩くことにします。

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下は古い地質図の標題です。


篆書(てんしょ)体の文字が、まさに明治の御代の雰囲気。
目をこらすと「大日本帝国地質図/農商務省地質調査所」と読めます。


普段は小さく折りたたまれて、これまた明治調の表紙に収まっています。
発行は明治33年、西暦でいうとジャスト1900年で、19世紀最後の年に当ります。

これを買ったのはずいぶん前ですが、実をいうと、広げたのは今回が初めてです。
古いものなので、ちょっと油断するとビリッと行きそうで怖かったからです。
そして、ひょっとしたら今回が最後になるかもしれません。


どうぞ、その「雄姿」をご覧くださいまし。

幅は約160cm、そして高さは180cmを越えるという、ほぼ畳2畳分の大地質図です。
いつもの部屋では広げることも、写真を撮ることも、とても無理なので、和室に持ち込んで、ようやく一望できました。

次回、その細部を眺めてみます。

(この項つづく)