タルホ的なるもの…続・都会の月 ― 2016年05月13日 21時40分58秒
米イリノイ州・ロックフォードの夜。
1920年代の絵葉書です。
1920年代の絵葉書です。
これぐらいの町並だったら、足穂氏も現実の神戸や東京で親しんでいたでしょう。
そして、月は摩天楼ばかりでなく、こういう小づくりな都会にもよく似合います。
そして、月は摩天楼ばかりでなく、こういう小づくりな都会にもよく似合います。
海底のように暗い街路。
鮮やかなスパークを飛ばして揺れるボギー車。
ヘッドライトの光錐とともに走り抜ける自動車。
黒く謎めいたシルエット。
鮮やかなスパークを飛ばして揺れるボギー車。
ヘッドライトの光錐とともに走り抜ける自動車。
黒く謎めいたシルエット。
こういう場面は、いかにもタルホ的だなあと思います。
この絵葉書、よく見ると、網版のモノクロ写真に雑な手彩色をほどこして、無理やり夜景に仕立てたものと分かります。
画面全体に漂う「書き割り」めいた雰囲気もそのせいですが、その人工性やウソ臭さが、またタルホ的です。
画面全体に漂う「書き割り」めいた雰囲気もそのせいですが、その人工性やウソ臭さが、またタルホ的です。
虚構の夜を照らすニセモノの月。
ここから油断のならないドラマが、ゆっくりと幕を開けるのです。
ここから油断のならないドラマが、ゆっくりと幕を開けるのです。
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