タルホ的なるもの…月、大いに酔う ― 2016年05月26日 19時55分33秒
クロモ刷りの戦前のトランプ。
こちらも夜空を舞い飛ぶ飛行機と飛行船です。
さらに三日月、アルコール…とくれば、これはもうタルホ以外の何物でもありません。
さらに三日月、アルコール…とくれば、これはもうタルホ以外の何物でもありません。
飛行機のマークはイギリス空軍のもので、おそらく産地もイギリスでしょう。
時代的には第1次世界大戦の前後と思います。
時代的には第1次世界大戦の前後と思います。
道化めいた小男の振る舞い酒で、金色に輝く月は、もうすっかり出来上がっている様子。他の飛行機も、ご相伴にあずかったのか、いささか桿さばきがウロンです。
ルージュの夜空のバンケット。
地上では、そんな絵柄のトランプを手に、こちらも大いに盛り上がっている頃合いでしょう。
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以下余談ですが、メモ代わりに。
上のトランプは、実は手元に1枚しかありません。なぜ1枚きりかというと、これは「スワップカード(交換カード)」と呼ばれるものだからです。
スワップカードというのは、別にそういう特別なトランプがあるわけではなくて、やっぱり普通のトランプなのですが、本来<52枚+ジョーカー>から成るトランプセットをばらして、1枚ずつ単独で交換・蒐集されるカードを、特にスワップカードと呼びます。
(このカードはクラブのジャック)
スワップカードがいつ始まったかは寡聞にして知りませんが、かつてトランプ・コレクターの中に、「裏面のデザインを楽しむだけなら、別にカードを全部持っている必要はないじゃないか。中の1枚だけ手元に残し、他のカードを別のコレクターと交換すれば、お金もスペースもずっと節約できるぞ!」…と思いついた“知恵者”がいて、始まった風習のようです。
もちろん、トランプ・コレクターの中には、それをいさぎよしとしない人も多く、スワップカードは、その界隈でも依然傍流だと思います。そして、その風習には明瞭な地域差があって、現在スワップカードが最も一般化しているのは、オーストラリアだそうです(その理由は不明)。たしかに、eBayでもスワップカードを扱っているのは、オーストラリアの業者が目立って多く、このカードもそのうちの1人から送ってもらいました。
まあ、トランプを1枚だけ持っていても、どうしようもないのですが、スワップカードというものが存在しなければ、決して目にできなかったトランプのデザインも多いでしょうし、無傷のトランプをばらすのは確かにもったいないですが、カードが欠けて使えないトランプの有効活用になる…という効用もあります。
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