かたちコレクション ― 2016年07月05日 06時51分50秒
アクリルキューブつながりで、再度「棚めぐり」に戻ります。
棚の隅に置かれた紙箱。
中には、さらに木箱が入っていて、9個のキューブが行儀よく並んでいます。
(ルリタマアザミ)
今ではすっかりポピュラーになった、京都の「ウサギノネドコ」さん(http://usaginonedoko.net/)の「宙(ソラ)キューブ」。
植物のかたちの不思議さを、透明なアクリルに封じ込めた品で、その一辺は約40ミリですから、一辺約60ミリの隕石キューブより、ぐっと小ぶりで愛らしいサイズです。
植物のかたちの不思議さを、透明なアクリルに封じ込めた品で、その一辺は約40ミリですから、一辺約60ミリの隕石キューブより、ぐっと小ぶりで愛らしいサイズです。
池袋の三省堂内に昨年オープンした博物系ショップ、「ナチュラル・ヒストリエ」さんを、先日ようやく訪問できたのですが、物珍しい品でいっぱいの店内を、きょろきょろ見て回っていたら、このウサギノネドコさんのアクリル封入標本がズラッと並んでいて、その人気の程をうかがい知ることができました。
とはいえ、私がこれを買ったのは、ウサギノネドコさんが2011年に京都にオープンされる前で、屋号もまだ「宙Sola」の頃です。当時は、知る人ぞ知る…という感じがちょっとありました。
(オニグルミ)
あの頃は、私自身「もののかたち」にかなりこだわっていて、天然・人工を問わず、脳が不思議な快感を覚える「かたち」――鉱物結晶とか、多面体模型とか、高次元多面体の三次元投影体とか――を集めていました。身近な植物のかたちに注目したこのキューブも、その流れで手にしたものです。
その「かたち遍歴」の末に、私が何を悟ったかといえば、
「百聞は一見に如かずというけれど、一見しても分からないものはたくさんある」
ということです。
「百聞は一見に如かずというけれど、一見しても分からないものはたくさんある」
ということです。
目の前に置かれた一個の造形。
それはありありと目に映りますし、手に持って自由に四方から眺めることもできます。
そこには一切の曖昧さがなく、完全に明瞭な視覚的像を結びますが、それでもなお、「これはいったい何がどうなっているのか、さっぱり分からん」…という<かたち>は、たくさんあります。Seeing is believing、されど Seeing is not understanding というわけです。(シンプルに言うと、分からない<かたち>は、スケッチができません。)
それはありありと目に映りますし、手に持って自由に四方から眺めることもできます。
そこには一切の曖昧さがなく、完全に明瞭な視覚的像を結びますが、それでもなお、「これはいったい何がどうなっているのか、さっぱり分からん」…という<かたち>は、たくさんあります。Seeing is believing、されど Seeing is not understanding というわけです。(シンプルに言うと、分からない<かたち>は、スケッチができません。)
こうして植物のかたちを前にしても、やっぱり同様の感想を持ちます。
そこには純粋な物理的形態とは別に、「生命のかたち」という、いちだんと抽象度の高いものがかぶさっているので、謎めいた感じはいっそう濃いです。
そこには純粋な物理的形態とは別に、「生命のかたち」という、いちだんと抽象度の高いものがかぶさっているので、謎めいた感じはいっそう濃いです。
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