星の子ども2016年07月14日 06時53分55秒

いろいろなことが次々に起こる中、人との結びつきに救われることが多いです。
そして、私は「縁(えん、えにし)」というものを、言葉の綾ではなく、現に在るものとして感じる傾向が強いです。

   ★

ささきさhttp://www.junk-club.net/)――私には以前の「我楽多倶楽部」の方が耳に親しいですが――として制作活動をされているTOKOさんとは、10年前に東大の総合研究博物館で偶然お会いして、あれこそまさに「縁」というものだろうと、今でも不思議に思っています。

TOKOさんの描く世界は、どこか遠くで風の音が聞こえるような、静かな澄んだ世界です。そして作品の主要なモチーフにしても、そこに漂う情調にしても、理科趣味との結びつきが強固です。

そうした世界を追求される作家さんは、その後ずいぶん増えたように思いますが、TOKOさんの創作活動は、10年どころか20年に及ぶとお聞きし、その持続力と尽きせぬ内面の豊かさに驚くほかありません。

そのTOKOさんの創作活動20周年を記念する個展が、来週から始まります。


■星の子ども / TOKO 20th anniv. exhibition

○会期 2016年7月22日(金)~26日(火)
     12:00-19:00 (22日のみ17:00開場)
○会場 gallery cadocco(http://cadocco.jimdo.com/
    東京都杉並区西荻北3−8−9
    (最寄駅:JR中央線・西荻窪 MAPhttp://cadocco.jimdo.com/about-1/
○公式ページ http://www.junk-club.net/2016/

今や「老舗」の貫禄…というと、TOKOさんの軽やかさに照らして、ちょっと違和感がありますが、とにもかくにも20年という歳月を経て、一人の表現者の中で何が変わり、何が変らないのか、おそらく作者ご自身にとっても、多くの気づきを得られる催しではないかと、傍から推察しています。

(TOKOさんが「ルーチカ」名義で制作されたミニチュア星座早見盤ほか)

コメント

_ S.U ― 2016年07月14日 07時54分59秒

TOKOさんについては、私にとっては玉青さんにご紹介いただいたことになりますが、上のURLの拙文でご紹介した科学衛星の絵には心底驚きました。こんなに器械(タルホ流に書けば「私のキカイ」)が冷たくかつ可愛く描けるのかと思いました。ミニ星座早見にしてもそうです。
 低学年のうちから理科好きに陥ってしまった小学生~そういうイメージが想像されます。
 まことに稀有な作家さんであると思います。

_ K.T. ― 2016年07月14日 14時13分05秒

自分の目の黒いうちに、しっかりと睨みを利かせて、平和主義を嗣がせようという腹づもり。現下のタイミングで、なかなかやるものですね、渡来人の征服者も。

「いまこそ二重橋の前に立って、天皇陛下万歳! を叫びたい」

『パンドラの匣』太宰治

_ 玉青 ― 2016年07月15日 22時13分42秒

○S.Uさま

あの夕べを思い出しますね。
「書は人なり」と言い、また絵画では「線は人なり」と言いますが、無機的なものを画いても、自ずとそこに画き手の人となりは表れるものでしょう。
器械を可愛く描くのも、それこそ「艦これ」みたいに擬人化すれば簡単ですが、リアルに描いて、なおかつそこに愛しさを出すというのは、技量と資質の両方が揃わないと、なかなか難しいことと思います。

○K.Tさま

現下の情勢はまさに複雑怪奇。いろいろな思惑と圧力が渦巻く中、このアドバルーンが果たしてどちらに吹き流されるか、注目しています。

_ K.T. ― 2016年07月16日 17時38分09秒

現天皇は、超過密スケジュールで戦跡を訪問するなどし、平和主義を内外にアピールしています。なかなか上面のポーズで出来ることではないと思われます。また、仮にアドバルーンに過ぎないとしても、その重要性を認識し、一所懸命にこれをやっていることは間違いないでしょう。ともあれ、今上、意外とイケてるかも!? と感じる今日この頃ではあります。

_ とこ ― 2016年07月16日 17時41分42秒

玉青先生、ご紹介をありがとうございました!
10年前に興奮とともにこちらのブログにコメントをしましたことや、東大の博物館での偶然の出会いなどを懐かしく思い出しました。…実は記憶もあやふやなことが多々ありましたのでいつ何をこちらでお話ししたのかを数日前にいろいろと検索しました(笑)。

あの頃は天文関連の古いものといっても、具体的な対象(古い星座早見盤がほしいとか)は特になく、ただ漠然としたイメージと憧れだけがありました。それがこのブログ記事から視界が開け、現在の活動に結びついています。玉青先生とこのブログの存在も、出会いも、その後善くしていただだいた数々も、SUさんやかすてんさんとの出会いも宝物です。

自分の描く絵やモチーフはまだ未熟ですが、紹介文はとてもうれしかったです。SUさんの「冷たくかつかわいく」も目標としていたイメージなのでそう感じてもらえましたことは感無量です。

20年、もうちょっとしたら四半世紀…貫禄は皆無ですが年数だけでいうと老舗ですね。これからも続けたいと思います。今後もまたご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

_ 玉青 ― 2016年07月17日 21時15分14秒

○K.T.さま

現天皇の発言や行動には、折々胸をうつものがありますね。
中でも2015年の新年に詠まれた 「夕やみのせまる田にいり 稔りたる稲の根本に鎌をあてがう」という歌が、私には一種異様な迫力を持った歌として、ずっと脳裏にあります。
この歌は知人から教えられたのですが、その折のメールを見返したら、自分はこんなふうに書いていました。

   +

「上の句で、自らの死期をイメージしているのは確かだと感じます。
では、「稔りたる稲」とは何か。豊かな収穫の歌ですから、そこには喜びがあるべきですが、「鎌をあてがう」の結びが、いかにも不穏です。
「鎌をあてがう」の主語は、普通に考えれば天皇自身でしょうが、最初にお話をうかがったときは、戈をふるわんとする安倍政権への痛烈な批判なのだろうかと思いました。
となると、天皇自身は国民と共に「稲」の側に身を置いていると読めますから、まさに鬼気迫る決意がみなぎって感じられます。
現天皇家の在り方は、ある意味戦後レジームそのものですから、安倍との角逐は不可避ともいえますし、これからの歴史の展開と併せて、これは後世に伝わる作品となるかもしれませんね。」

   +

今回の件で、私は改めて背筋にヒヤッとするものを感じています。

○とこさま

思い出は走馬灯の如く…
思えば私が「玉青先生」と呼ばれるようになって久しいですね。(笑)
まあ、「先生」の方はだいぶ草臥れてきましたけれど、とこさんのますますの活躍ぶりには、大いに括目しています。

これが四半世紀になり、さらに半世紀になったら…
ちょっと想像の埒外ですが、ぜひこれからも健やかな創作の旅路を!
個展のご成功をお祈りしております。

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