月星に願いを ― 2016年09月30日 06時00分49秒
心の混沌を静めるために、他愛ないものを載せます。
「月と星」で探しているうちに見つけた、ドイツのグラボ―市の紋章。
切手のようなミシン目が入っていますが、本当の切手ではなく、飾り貼り用のシールです(手紙や本の隅にペタッと貼るのに使います)。
切手のようなミシン目が入っていますが、本当の切手ではなく、飾り貼り用のシールです(手紙や本の隅にペタッと貼るのに使います)。
(ウィキペディアより https://en.wikipedia.org/wiki/Grabow)
現在の公式デザインは上のようなものだそうですが、昔はこんなだったのでしょう。
あるいはシールを作るに際して、あえて擬古風にこしらえたのかもしれませんが、文字は金属版、絵柄は木版という凝った作りで、色合いも古雅です。
あるいはシールを作るに際して、あえて擬古風にこしらえたのかもしれませんが、文字は金属版、絵柄は木版という凝った作りで、色合いも古雅です。
この月の表情は今の私そのものだなあ…と、そんな他愛ないことも心に響くのです。
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それにしても、何故こんな月星デザインの洒落た市章が生まれたのでしょう。
グラボー博物館の解説(http://www.museum-grabow.de/020_grabow/wappen.html)によれば、同市の紋章は途中何度か変更があり、中世の頃は聖ゲオルグ(ゲオルギオス)の像が使われ、1569年に月星の意匠が登場、1677年に今の「青地に三日月と三ツ星」のデザインに落ち着いたのだそうです(ただし、ナチ政権下の1940~1945年は、「ドラゴンを踏み敷く聖ゲオルグと鉤十字」という物騒なものを用いた由)。
その意味するところは、三日月の頃に栽植・建立したものは、よく育ち繁栄すると言われることから隆昌を、また三ツ星は「幸福・名誉・栄光」をシンボライズしたもので、全体として一種の吉祥紋になっているのでした。
「なるほど。でも、この月は左向きの三日月じゃなくて、右向きの有明月じゃない。これじゃあ隆昌どころか、逆に衰退に通じるんじゃないの?」と思われる向きもあるでしょう。でも、そこは大丈夫です。
西洋の紋章は、盾の表面にいろいろな絵柄が描かれているわけですが、上のページによれば、紋章の絵柄というのは、盾を手にした者から見た形で解釈されるので、手前(盾に相対する立場)から見るのとは左右が反転して、これはやっぱり三日月で良いのだそうです。
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この草臥れた状況がどうにかなりますようにと、遠い国の遠い町の月星紋に祈ることにします。
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