デ・ラ・ルーとその時代(3)2016年10月23日 09時29分17秒

デ・ラ・ルー社のトランプに関連して、こんなモノを見かけました。

(写真を撮るときに表裏を間違えたので、左右を反転して掲載)

同社のトランプを写した1910年頃の幻灯スライド。


1860年代のカードと比べると、スペードの切れ込みが深く、またスートの他に数字が印刷されるようになったことが分かります。さらにカードの角が丸くなって、この半世紀の間に、トランプがさらに“現代化”したことが窺えます。

   ★

それにしても、このスライド画面に漂う、不可解な感じは何でしょう?

当時の幻灯スライドは、娯楽目的で異国の風景を映したり、教育用に何かの説明図を映したりするのが通例だったと思いますが、果たしてこのスライドの制作意図は?
スペードの1、2、3、4、5…そこに何か意味があるのでしょうか?

モノクロの「虚の空間」に浮かぶトランプの表情は、モノがトランプだけにいかにも謎めいています。そして、どこかにトリックが潜んでいるような、不穏なものを感じます。