ジョーカー登場2016年11月10日 06時49分38秒



キノコよりも何よりも、トランプ・ショック。
24時間前、誰が今の世界の到来を予想したでしょう?

「トランプさんて、メキシコとの国境に壁を作るって息巻いてたよね。で、他には何をしたいの?」と、思っている人も多いでしょう。私もそうです。結局、トランプ氏が何をしようとしているのか分からないので、皆途方に暮れている…そんな構図じゃないでしょうか。彼の真意は何なのか?それとも真意なんてないのか?

今朝はまだ朝刊を開いてませんが、開けば記者諸氏が眠い目をこすりながら書いた、そんな記事が並んでいることでしょう。

面白うてやがてかなしき…になることはほぼ確実ですが、当面は、トランプその人の動きに加え――あるいはそれ以上に――彼の取り巻きの動きを注視したいです。仮にロシアや中国が「トランプ御し易し」と思っているなら、彼の周囲の有象無象だってそう思っているに違いないからです。(そして、やっぱりショックを受けているらしい、我が首相周辺はどう動くのか?)

   ★

…というような政治評論めいたことは、いったん脇に置くにしても、ドナルド・トランプは「一人の人間」であると同時に、「一個の現象」でもあることは、忘れずにいたい点です。彼が体現している、人間の「暗い想念」は、彼が来たり、そして去った後も、人間の心の中に依然淀み続けるはずで、トランプ氏の存在に、もし意味があるとすれば、我々は彼を通して、それをより明瞭に見つめ、対峙することができるという点にある気がします。

コメント

_ S.U ― 2016年11月10日 07時49分36秒

トランプはまさにジョーカーですね。ワイルドカードとしてどう出てくるかわからない・・・
 「取り巻き」にしてみれば、ワイルドカードは使い方次第ということと思います。

 日本では、当面は静観だと思いますが、何が何でも対米従属では危険で、自立性が求められることに国民が気づくよいきっかけだと思います。少なくともそこだけはポジティブに評価したいです。

_ 玉青 ― 2016年11月11日 21時54分17秒

>国民が気づくよいきっかけ

本当ですね。トランプ大統領の誕生こそ、新たな黒船なのかもしれません。これを奇貨として、ぜひわが同胞とともに足元を見つめ直したいです。何せ見つめ直す材料は山のようにあるのですから。

_ S.U ― 2016年11月13日 08時26分49秒

トランプ・ショックから何日か経っていろいろ分析がなされてきています。政治的のみならず歴史的、文化的にもいろいろ大切なことが表面にでてきたように思います。

 玉青さんのご指摘の人間の深層の「暗い想念」が表に出てくるというのは非常に重要な点で、こういう常軌を逸した人間の登場というのは、ある意味で普通の人たちの感情が一点に集中し結石のような状況になったもの、あるいは日常の僅かな動きが継続して突然地震で断層を作るようなものであり、それは必然と見なすこともできるでしょう。

 それから、選挙後のデモなどで国民の分断というものが問題視されていますが、これも、「分断すべきこと」と「分断すべきでないこと」を一応区別して考えていくべきではないか(峻別はできないと思いますが)ということにもスポットが当たってきたと思います。真面目に働いているにもかかわらず日が当たらない人と不労所得でこっそり儲けている人の間で対立が起こるのは、これは歴史の必然で抑えることができないものでしょうし、多少の争奪戦も公正な社会の実現のために必要なものと言えます。しかし、民族や宗教、愛国心や遵法精神(おそらく憲法の基本理念も含まれる)などと言ったものは、各人がそれぞれに良心に従い解釈し行動するものであれば、若干の整理は必要としても国民を分断するほどの論争を煽るべきではないように思います。そういうことも米大統領選挙は教えてくれていると思います。

_ 玉青 ― 2016年11月13日 13時22分28秒

トランプ現象の構図が少しずつ見えてきましたね。
彼が宗教界の支持を取り付けて息を吹き返したこと、教育と職を奪われたラストベルトの絶望感がいかに深いものであったか、「理想」が単なる建前に堕す社会の病理…不気味なほど日本と重なる状況に、背筋がヒヤッとします。

富める者と貧しい者、奪う者と奪われる者。
今やはっきりと不正義の域にまで達したその格差に、アメリカの人々ははっきりノーを突き付けましたが、その投票先がトランプ氏ではなく、サンダース氏だったら良かったのに…と思わずにはいられません。

アメリカは、そして日本は今後どうなるでしょうね。
S.Uさんのお言葉に深く頷きつつも、先方が「暴力装置」を陰に陽に繰り出している現状を見ると、今後さらに激しい争乱が誘発されかねないことを懸念します。この分断状況を再統合するには、ガンジーやキング牧師のように真に徳のある人でなければ、なかなか難しかろうという気もします(言葉のうわべだけの「徳治」は御免蒙るにしても…)。

それにしても我が首相は、まだトランプさんが大統領に就任する前から、いの一番に駆けつけるそうで、駆けつけるからには、きっとまた何か手土産を持って行くのでしょうが、本当に小物感を漂わせているなあ…と、国民として悲しくなります。

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