雪の絵本 ― 2017年01月14日 12時10分27秒
夕べは空を一面雲が流れ、星はろくに見えませんでした。
でも雲を透かして、一つだけ星がやけに明るく輝いていました。
東方最大離角を過ぎたばかりの金星です。
でも雲を透かして、一つだけ星がやけに明るく輝いていました。
東方最大離角を過ぎたばかりの金星です。
ふだんは瞬かない金星がちらちらするのを見て、「これは来るぞ…」と思ったら、やはり夜半からしきりに白いものが降り始めました。
今日は一日雪。
こういう日には、どうしても読みたい本があります。
こういう日には、どうしても読みたい本があります。
児童文学者・神沢利子さん(1924~)の筆になる、雪にちなんだ美しい文集、『雪の絵本』(昭和46、三笠書房)。
(目次の一部)
「雪うさぎ」の一節。
子供が雪でこしらえる、あの雪うさぎではなく、冬になると白毛に替わる野うさぎの生態についてのエッセイ。
子供が雪でこしらえる、あの雪うさぎではなく、冬になると白毛に替わる野うさぎの生態についてのエッセイ。
雪明かりに照らされた紙の色。
江戸時代の『雪華図説』からとった雪の絵が文章を彩ります。
江戸時代の『雪華図説』からとった雪の絵が文章を彩ります。
清少納言と「香炉峰の雪」のエピソード。
日本の古典、おとぎ話、近代の詩人の作品などを引きながら、文章は静かに綴られていきます。そしてまた、自身のあふれるような思い出も。
南樺太のそのまた外れの村で過ごした、少女時代の明るく楽しい雪遊びの思い出(著者のお父さんは、炭鉱会社の事務員として、一家を連れてこの辺境の地に赴任していました)。その後、東京から信州へと移り住んだ、戦時下の青春時代の哀切な記憶。
★
窓の外にも、本の中でも、雪はまだ降り続いています。
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