死者を照らす月2017年02月05日 14時00分33秒

今日は一日冷たい雨。

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心が索漠とした夜。
不安を抱えて眠れない夜。
そんなときは、そっと寝床を抜け出して、暗い世界に足を踏み入れ、闇の存在と言葉を交わす方が、いっそ気持ちが安らごうというものです。


深夜の散歩者を気取りたくなる、手彩色の幻灯スライドを手にしました。


時代は19世紀末、メーカーはおなじみのニュートン社。
(参照 http://mononoke.asablo.jp/blog/2014/02/10/7218715


被写体となっているのは、イングランド中部のレスターシャー州ラターワース(Lutterworth)の町に建つセント・メアリー教会。小づくりな教会ですが、現在の建物は13世紀にさかのぼる歴史遺産だそうです。

この教会では塔のある方角が西なので、満月の位置を考えると、現在の時刻は、未明から明け方に移る頃合い。我々の深夜の散歩も、そろそろ終わりが近いことを告げています。

それにしても、見るからにゴシック趣味に富んだ画題ですね。
工業化が日に日に進む社会を横目に、当時の人はこういう風情を愛でながら、ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』を読みふけったりしたのでしょう。

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余談ながら、わが家は隣が墓地なので、墓石ごしにお寺の本堂の屋根を見上げると、ちょっと似た構図になります。