民主主義のうねり高し2017年06月15日 07時00分41秒

国民の代表たる首相の下、自由と民主をうたう大政党が、民主主義を謳歌しながら、のびのびと議会運営をするのを目の当たりにして、大いに瞠目しています。

いろいろ話題の北朝鮮が「民主主義人民共和国」を名乗り、最高指導者が最高人民会議という名の議会を統べて、万事処している様子に、報道で日々接しているので、「北朝鮮に負けるな、北朝鮮以上の民主主義国家を目指せ」という勇ましい気概が、永田町に満ち満ちても、ことさら異とするには足りません。

とはいえ、私には北朝鮮が手放しでお手本とすべき国家とは思えないので、最近の永田町を覆う空気には首をかしげざるを得ません。
永田町の諸氏は気づいてないかもしれませんが、日本には日本の良さがありますから、そんなにやみくもに隣国の真似をしなくても良いのにと思います。

   ★

「耳掃除は必ず右の耳から始めること」
…という法律が出来ても、あまり痛痒は感じないでしょうし、別に恐るるに足りません。
でも、そんな阿呆な法律が通る世の中、通す政治家は、まことに恐るべきものです。

共謀罪もそれと似ています。
もちろん共謀罪は耳掃除よりも深刻で、今後、恣意的な捜査・逮捕がまかり通ることで、多くの非行・蛮行が行われることは確実です(というか、それこそが法の目指す所でしょう)。それには、はっきりと反対し続けねばなりません。

しかし、そんな悪法が堂々と通る世の中、易々と通す政治家こそ、共謀罪以上に恐るべきものという気がします。こちらについて、一体どのように対処すればよいのか?

今後も、<呑気・自由・大らかさ>の旗を降ろす気はないので、「天文古玩」自体はまったく変わらぬ姿勢で続けるにしても、一人の国民として、「こんな世の中」をどのような顔で生き、「こんな政治家」に向って何を語ればいいのか?

途方に暮れて空を見上げても、星は涼しい顔です。
いっそ憎らしいぐらいですが、たぶんその答を星に問うべきではなく、今は私自身が星に問いかけられている場面なのでしょう。

   ★

それにしても、無理が通れば道理が引っ込むとは、よく言ったものです。

コメント

_ Nakamori ― 2017年06月15日 11時59分05秒

玉青さま、どんな世になろうとも生き延びて、そして夜空を呑気に見上げてやりましょう!生物はそんなに柔ではない。我々も生物、そんなに柔ではないはず。

_ S.U ― 2017年06月15日 22時33分18秒

>北朝鮮以上の民主主義国家
 昨今の政府与党の手法は、北朝鮮に通信教育で何か教わっているのではないかという気すらします。少なくとも参考にはしているでしょうね。誰であっても何であっても参考になるものを参考にするのは良いことです。

 それから、東京オリンピック開催を国民の権利を縛る法律に利用するという政治利用は、ベルリンオリンピックで頑張ったヒトラーにもゲッベルスがやられたというほどのアイデアではないでしょうか。誰であっても何であっても参考にしたらよろしいです。

 「白色テロ」(白色テロルとも)という言葉があります。「内ゲバ」と同様の「革命用語」で、もはや死語であると考えておられる人が多いと想いますが、もとはフランスのterreur blanche という由緒正しい歴史用語です。Wikipediaの「白色テロ」の「定義」を見ると、これはまさに治安維持の域を超えた強権的警察権力のことを指すそうです。
 「白色テロ」は由緒正しいテロの一カテゴリーですから、テロ等準備罪=共謀罪の取り締まりも、一般法からの逸脱があれば一種の真性のテロと言うことになります。テロを持ってテロを制すというか、勝てば官軍というか、結局は、無理が通れば道理が引っ込むとなるのでしょう。

_ 玉青 ― 2017年06月16日 07時04分26秒

○Nakamoriさま

中国の民衆が囁くように、「上に政策あれば下に対策あり」ですよ。
「下」の我々は、「上」の連中のそのはるか上に広がる蒼穹を見上げ、心を大にして日々を送ることにしましょう。

○S.Uさま

>白色テロ

私が学生時代は、まだ学内でそういう文字が飛び交っていました。
なるほど、これからは白色テロに備えて身構えないといけない時代になったのですね。為政者は、テロ等“を”準備する罪を取り締まるのだと叫んでいますが、お上が企てるテロ等“に”準備せねばならんとは、まこと物騒な世の中になったものです。

_ S.U ― 2017年06月16日 20時37分07秒

>まだ学内でそういう文字が飛び交って
 おぉ、伝統を重んずるすばらしい学校をお出になったのですね(笑)。

>お上が企てるテロ等“に”
 本当は、このテロ等準備罪でお上を断罪できると話が早いのですが、そういうことはならないですね。
 かつては、「治安維持法」で戦争反対の声を封殺したものだから、結局、戦争をやめられずに、日本の大都市は火の海となり国体も傾いてしまって治安維持どころの話ではなくなったのですが、今度も自分のテロが止められなくなれば同じようなことです。自分の身の振り方すら、なかなか思うようにはならんもんですよ。ひとの意見は聞くものです。

_ 玉青 ― 2017年06月16日 21時38分05秒

げにも、げにも。
まあ、単純に損得で考えたって、はっきり損じゃないかと思うんですが、のぼせ上がっているときは、そんな声すら耳に入らぬようで、おかしな熱病に浮かされているときは、どうしようもないですねえ…

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