ペンネリ・コメタ ― 2017年09月09日 08時13分31秒
昨夜は、太陽フレアのニュースを聞いて、「赤気」、すなわち低緯度オーロラの片鱗でも見えないかと、高台から北の空に目を凝らしましたが、その気配も感じられませんでした(まあ、見えなくて当然です)。
それにしても、風が頬に涼しい、気持ちの良い季節になりましたね。
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先日、こんな品を見つけました。
ご覧の通り、彗星をかたどった印刷ブロックです。
高さ16.5cm、幅12.5cmと、結構大きなものです。
(左右反転画像)
Pennelli はイタリア語で「筆」の意。
Cometa のブランド名は、筆の穂を彗星の尾に見立てたのでしょう。
(同上)
H.L. Sterkel 自体は、イタリアではなく、ドイツ・ラーベンスブルクの絵筆メーカーで、1823年創業の老舗。そして、この印刷ブロックは、同社の製品のラベルやチラシを刷るのに使われた原版というわけです。
側面に打たれた真鍮の銘板も、なかなか良い雰囲気を出しています。
昔の活版所には、こうした印刷ブロックがズラッと並んでいて、必要なものをすぐ取り出せるように、こんな工夫を凝らしたのかもしれません。
裏面のインクの染みの向うに、かつての活版所のにぎわいを感じます。
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この手の品は、真っ当な天文趣味というか、リアルな天体観測とは、ほとんど関係がないんですが、たとえそうだとしても、そこには様々な時代の、様々な人の「星に寄せる思い」がこもっていますし、少なくとも天文趣味の一端を物語るものではあります。
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