Where the Past meets the Present ― 2017年10月01日 07時45分52秒
イギリスの天文史学会(SHA;Society for the History of Astronomy)というのは、会費を払えば誰でも入会できる気さくな学会で、私もその一員に加えてもらっています。
昨日、その会誌が届いたので、パラパラ見ていました。
主要記事は、1927年にイギリスで見られた、皆既日食騒動の顛末や、SHA会員有志による今春のパリ天文史跡探訪、およびフランス天文学会(SAF;Société Astronomique de France)との交流記などなど。
パリ天文台や、フランス自然史博物館、パリ近郊のカミーユ・フラマリオンの私設天文台など、(いずれも足を運んだことはありませんが)心情的には近しい場所が、イギリスの人の目を通して紹介されるのが、ちょっと不思議な感じでした。
それにしても、時代小説を読んでいると、頭がだんだん江戸時代モードになって、突如「この推参者!」とか叫ぶように、100年も200年も前の天文史の話題を追っていると、いつの間にか、今が2017年であることを忘れてしまいます。
そして、「SHA図書館だより」の記事を読めば、図書館が入居している「バーミンガム&ミッドランド協会(BMI)」の煤けた赤煉瓦の建物を思い起こして、何だか1880年代を生きる天文家のような気分が、自ずと湧いてくるわけです。
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でも、その気分も長くは続きません。やっぱり今は2010年代です。
「現在BMIはポケストップになっており、当館にもポケモンの姿をした仮想訪問者がお出でになります。写真は、最近お見えになった、ズバット、コラッタ、ホーホー、マリルの皆さん。」
そうか、ポケモンかあ…。
どうもSHA司書のキャロリン・ベッドウェルさんは、最近「ポケモンGo」にはまっていて、天文古書に囲まれながら、仕事の合間にポケモンを盛んにGetしている模様。
たとえ煤けた建物に19世紀の本が山積みになっていても、やっぱり時の流れを止めることはできず、あたりには人知れずポケモンが跳梁し、ネットがなければ一切の仕事が成立しない…我々はそんな時代を生きていることを、今さらながら見せつけられる思いです。
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