結晶形態学の薫香2017年11月18日 08時30分59秒

創作ユニット「ルーチカ」のお一人であるTOKOさんから、「ルーチカ結晶形態学プロジェクト」のご案内をいただきました。


■(公式サイト)ルーチカ結晶形態学プロジェクト

 「百年前にX線結晶構造解析の歴史が始まるより以前、結晶学は鉱物の外観から対称性を見出し、分類同定する学問であった。今日では元素組成と粉末X線パターンによる鉱物の同定が一般的となり、古い結晶学は「結晶形態学」として結晶学の導入部に登場するのみとなっている。しかしながら、結晶の点群と格子定数、ミラー指数から定義付けられる多面体『結晶形態図』の意匠の美しさは現在でもなお人々の心を魅了し続けている。」 (上記サイトより)

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各種鉱物の美しい色・形―。
それももちろん素敵ですけれど、さらにそうした感覚美を超えた、「理」の美しさと呼ぶべきものが、鉱物にはある…と、先日書きつけました。それこそが、まさに「結晶形態の美」だと思います。

それは抽象度の高い美ですが、それを図示したり、立体模型化したりすれば、そこには理知の篩(ふるい)にかけられた、「純粋な感覚美」と呼ぶべきものが、また新たな輝きを放ち出します。

さらに、その解説文を拝読すると、結晶形態学の面差しには、その歴史性に根ざした深い雅味が寄り添っているようにも感じられます。

総じていえば、木製キャビネットや真鍮製の偏光顕微鏡を備えた、古風な鉱物学研究室の空気を、私はそこに感じ取ります。(私信を勝手に引用して恐縮ですが、TOKOさんからのお便りには、「クランツ標本をみて多面体に本格的に目覚めてしまった人のなれの果てみたいな」という一節があって、思わず膝を打ちました。)

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ここで私自身のことを振り返ると、私には「いつか欲しいなあ」と願い続けてきたものがいくつかあります。指折り数えると、ちょうど7つ。まあ、私にとってのドラゴンボールみたいなものです。そのうちのいくつかは、すでに見つけることができたので、神龍が出現することはないにしろ、完全ゴールも徐々に近づいています。(でも、ゴール間近になると、また新たな目標が生まれそうな気もします。真の完全ゴールは永遠に来ないかもしれません。)

そのうちの1つ、自分の中ではこれぞという逸品を、結晶形態学プロジェクト始動を祝し、勝手協賛企画として登場させます。(尻馬に乗る、とも言います。)


<大いに勿体ぶりつつ、次回につづく>