Crystals of Crystal(前編)2017年11月19日 07時00分27秒

(昨日のつづき)

結晶形態学プロジェクト」の雅味に沿い、かつ私が以前から憧れていたもの。
それがこの黒い箱に入っています。

(箱の大きさは、約29×20cm)

この箱が届いたのは、去年の夏のことです。
かなり無理な算段をしてこれを購入したのは、わずかなボーナスが入って、ちょっと気が大きくなっていたせいもありますが、でもこれは、たとえ財布がスッカラカンでも買うしかないと、見た瞬間に思いました。

その中身は(大方お察しのとおり)「結晶模型」です。
でも、よく見る木製ではありません。クリスタルガラス製のまさに Crystals of Crystal、「クリスタルでできた結晶たち」なのです。


もちろん、木製の結晶模型にも独特の味わいがありますし、それに木製だろうが、ガラス製だろうが、結晶の形自体に変わりはないんですが、無色透明なガラスで作られた結晶模型には、昨日書いたような、抽象的な「理」の美しさや、「理知の篩(ふるい)にかけられた純粋な感覚美」が、なおのこと溢れているように感じたのです。


結晶形態は全部で20種類。ひとつひとつが小箱に入り、真綿の上に鎮座しています。
私はこうした風情にすこぶる弱く、また「正方晶系完面像晶族」とか「六方晶系菱面体晶族」とかいった言葉の響きに、脳幹反射的に反応してしまうところがあります。

何だか、「理」の美しさと言ったそばから、妙に幼稚な感想を書き付けていますが、結晶美の王道はルーチカのお二人にお任せするとして、私の方はモノにこだわって、この模型の素性をちょっと考えてみます。



(この項つづく)