3-D宇宙…序章2017年12月30日 15時14分47秒

先日、ちらっと口にした「宇宙を立体視する」という話。
まあ、今では最新のデータと連動した、それっぽいアプリがいろいろ出ているかもしれませんが、ここでは紙媒体に話を限定します。

   ★

このテーマを思いついたのは、昔、それこそ10年も前に、福音館の『立体で見る星の本』を取り上げたときにさかのぼります。


『立体で見る [ 星の本 ] 』

杉浦康平・北村正和(著)のこの本は、1986年に福音館から出ました。
以前の自分の記事をそのまま書き抜くと、

(引用ここから)------------------------------

薄紫の紙に、赤と青で星が印刷されていて、赤青のセロハン眼鏡で覗くと、星座が見事に浮き上がって見える仕組み。 

載っているのは、「5等星までの全天の星と球状星団、銀河系外星雲、やく2600個」で、それを 50光年以下、51~100光年、101~200光年、201~500光年、501~1,000光年、1001光年以上 の6段階に分けてプロットしてあります。 

〔…〕この本は単なる思いつきだけで出来たわけではなく、地道な計算と、気の遠くなるような作図と製版作業を経て、最初のプロトタイプの出現(1973)から最終的な完成まで、実に13年間を要した…と解説文にはあります。 

-----------------------------(引用ここまで)

この本は、杉浦康平氏のグラフィックデザインの才なかりせば、決して日の目を見なかったであろう快著で、表紙には、「赤と青のメガネを使って、宇宙の星を立体で見る世界ではじめての本」と書かれています。

ただ、この一文は文意がちょっと曖昧です。
これは取り様によっては、「これまでも宇宙の星を立体で見る本はあったけれど、赤と青のメガネを使ったのは、これが世界最初だ」という意味にもとれるし、「宇宙の星を立体で見る本はこれが世界最初で、本書ではその手段として、赤と青のメガネを使っているよ」という意味にもとれます。

前者の主張はおそらく正しいです。
しかし、その後、後者の主張は成り立ちがたいことが、徐々に分かってきました。

19世紀以降、まずは年周視差によって近距離の恒星までの距離が判明しだすと、「宇宙の奥行」ということが徐々に、そして急速に人々の意識に上るようになってきた…と想像します。その中で、「宇宙を立体視したい」すなわち「神の視点を獲得したい」という願望も強まったのでしょう。その種の試みは、既に100年以上の歴史があります。

   ★

まずは『立体で見る星の本』に直接先行する、1970年代の作例から。


David Chandler(著)
『DEEP SPACE 3-D: A Stereo Atlas of the Stars』
David Chandler〔現David Chandler Company, Inc.〕、1977

(詳細は次回。この項続く)

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