雪の便り2018年01月25日 22時37分15秒

春の気配を星に感じたと思ったら、関東に続いて中部も雪。
それもほどろな春の雪なんかでなくて、妙に雪質のいい、パウダースノーが、さっきまで晴れていた空をあっというまに覆い尽くし、一時は何かただならぬ感じがしました。

こんなふうに太平洋側の人間は、1年に何べんもない降雪にオロオロしますが、今回は1年に1回だけ舞い降りる雪片の話題。

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雪の写真師、ウィルソン・A.ベントレー(1865-1931)が撮影した雪の結晶写真をもとに、彼の故郷の記念館が、毎年新たにデザインするグッズ類のことは、1年前も記事にしました。

■白銀の雪

今シーズン(2017年)の新デザインのテーマは、下の結晶です。


ピューター製の美しい樹枝六花。
炎に投じぬ限り、永遠に融けない雪。

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雪は美しいものですが、人間生活と軋轢を生じると、恐ろしい顔を見せます。
そしてまた、普段心の奥にしまってある思いを、ゆくりなく引き出すものでもあります。

 犬棄てし子 心に雪ひそと積む       三汀
 昔 雪夜のラムプのやうな ちひさな恋  鷹女
 酒のめば いとゞ寐られぬ 夜の雪     芭蕉

人の心が様々であるように、心の中の雪景色もまた様々ですね。