無理矢理な月(第1夜)2018年04月16日 07時17分06秒

「月夜の幻灯」というのは、個人的に気になるアイテムです。
月光そのものが大いに妖しいのに、それを画題にした幻灯(Magic lantern)の夕べだなんて、二重の意味で魔術めいている感じです。

19世紀~20世紀初頭、幻灯会が盛んに催された頃、月光で写真を撮ることは相当難しかったと思います。もちろん明るい月本体を撮影することはできましたが、月光に照らされた地上の景色を写真に収めることは、当時の機材では事実上不可能だったのではないでしょうか。

したがって、「月夜の幻灯」はたいてい昼間に撮影した写真を元に、それを手彩色で夜景に仕立てたものです。それは「実際にはない景色を在るように見せている」という意味で、二重どころか幾重にも魔術っぽい存在で、アヤシイうえにもアヤシイ雰囲気が漂い、それが「月夜の幻灯」の魅力でもあるのです。

   ★

先日も、いかにもアヤシイ幻灯を手にしました。


3枚とも、シカゴのボズウェル社(Boswell Manufacturing Co.)が売り出したもので、月夜をテーマにした一連のセット物の一部のようです。
ボズウェル社については特に知るところがありませんが、その活動期は1900年代初頭に限られるようなので、これらもその時期のものでしょう。


美しい金彩を施した黒いフレームに囲まれ、かすかに青く覗かれる幻の夜。
いずれもかなり無理矢理感のある月景色で、いかにもアヤシサに満ちています。
さあ、アヤシイ幻灯会の始まりです。

(この項つづく)

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