心憎いゲーム…月と星と太陽と2018年06月29日 12時06分22秒

さて、星をモチーフにしたおもちゃの話題の続き。

星のおもちゃにもいろいろあります。
中には、学問としての天文学とはほとんど関係ないけれど、天体をうまくデザインに取り込んで、なかなか洒落た品に仕立てたものもあります。まあ、元来気楽な玩具ですから、こういうのは下手に「お勉強」に走らない方がいい面もあるし、実際、星のおもちゃの大半は、そうした<気楽派>でしょう。

洒落たゲームといえば、例えば下の品。

(箱のサイズは約10×16cm)


「The New Game of Sky」を名乗るこの品は、1900年代初頭に、ロンドンの「G. W. & Co.」というメーカーが売り出したものです。(社名の“G.W.”は“George Wright”の略。“Manufacturers of Stationers’ Requisites”を名乗っているので、ゲーム専業のメーカーというよりも、文房用品の会社が、この時期たまたまゲームにも手を広げてみたのでしょう。)




中身は金属製のトレイ6枚と、トランプ風のカード56枚から成ります。
カードは赤・青・黄・緑の4色で刷られており、これがトランプの「ダイヤ、ハート…」のスートに相当します。そして各色は1~10の数字と、三日月・半月・満月・有明月の4枚の月カードの計14枚から構成され、総計14×4=56枚というわけです。(ただし、「黄色の9」は太陽カードに置き換わっていて、これが最強のワイルドカードになります。)


とはいうものの、箱の中にはルール解説も入ってるんですが、これが何度読んでもよく分かりません。大雑把に言うと、ちょっと「UNO」に似た、手札を早く無くしたプレーヤーが勝ちというルールのようで、さらにゲームの途中、金属トレイを使ってチップをやり取りするプロセスが加わっています。


まあ、ルールはよく分からないですが、全体としていかにも心憎いデザインですね。
まぎれもなく、夜空が「カッコいいもの」と認識された時代の産物でしょう。そして、こういう空気が日本までスーッと漂ってくると、そこにヒョイと足穂氏のような人が生まれたりするわけです。


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閑語(ブログ内ブログ)

いかにも異常な時代だと思います。
しかも、その異常さにみんな慣れてしまって、さらに異常さを増幅しています。

危険な放射性物質が大量に降り注いでも、周囲の景色は一見変わらないので、「へえ、全然大したことないじゃない」と安心しきっている…何だか、そんな光景のようにも見えます。でも、金子みすずの詩じゃありませんが、「見えないけれども、あるんだよ」。放射線の影響は、深く、ゆっくりと、確実に、細胞レベルに及び、最終的には個体の死をもたらします。

同様に、今の政体の異常さ――倫理感と責任感の完全な欠如、そしてむき出しの支配欲――は、深く、ゆっくりと、確実に、個人や社会をむしばみ、国を衰亡へと導くでしょう。すでに日本は次世代の再生産ができず、完全に死に体になっていますが、今の教育行政や労働行政を見る限り、安倍氏とその取り巻きは、それを積極的に是としているようです。まことに恐るべきことです。そして悲しむべきことです。

コメント

_ S.U ― 2018年06月29日 20時12分18秒

これは、足穂氏が見たら小躍りしそうなカードですね。
トレイというのが珍しいですよね。どのトレイに入れるかがルーレットのように賭けになっているのでしょうか。

>閑語(ブログ内ブログ)
 放射性物質は恐いですが、法律の許容範囲の被曝なら、一般人は1ミリシーベルト/年、業務従事者は20ミリシーベルト/年として、業務従事者がある年に20ミリシーベルトの被曝をしたとしても、がんになる確率が0.1%未満増えるだけと言われています。死ぬわけではありません。がんは2人に1人がなると言われていますので、0.1%増えたところで確率的にはまったく気づかないでしょう。健康のための許容量というのはこうあるべきものでしょう。
 
 いっぽう、繁忙期の残業時間月100時間というのは、過労死ラインギリギリです。週末は休んだとしてウィークデーは毎日5時間残業で、朝9時~夜11時まで13時間労働(1時間休憩)です。これを2~3カ月続けると過労死しても不思議はないでしょう。法律の許容量ラインの設定では、「働き方改革」は放射線よりずっと危険です。人間、だれしも健康で長生きしたいものですが、がんで亡くなる人がいるのはまったくやむを得ないことです。でも、過労死で亡くなる人が1人でも出れば、それは許し難いことだと思います。

_ 玉青 ― 2018年06月30日 16時57分16秒

これは正確なご指摘をありがとうございます。物理学徒の面目躍如ですね。(^J^)
まあ、ここはあえて「大量に」と書いた点にご注目いただき、どうぞ意のある所をお汲み取り下さい。安倍政権が放つ「毒気」を放射線にたとえるなら、まさにチェルノブイリ級…ひょっとしたらそれ以上かもしれません。何せ彼らの行動は、チェルノブイリのような「事故」ではなく、全て「故意」なのですから、まったく言うべき言葉を知りません。
残業代ゼロで働かせ放題の恐ろしさは言わずもがな、本来そんな没義道なことをいさめるべき立場の人間が、先頭に立って詐術を弄し、旗を振っている現状こそ、何にもまして不埒千万と感じます。

_ S.U ― 2018年06月30日 18時07分33秒

すみません。玉青さんの書かれた放射性物質が大量に降ってくると恐ろしいのは、この計算上もおっしゃる通りであり、それは否定されません。原発事故の時はだいぶその手の計算をしました。
 仮に、1人当たり0.1%のがん罹患確率の増加であっても、何県かで10万人の青少年がこれに該当する被曝をすれば、そのために若いうちにがんにかかる青少年が100人余計に発生する危険があるわけで、これはまったく看過できないことになると思います。私が論じたのは、あくまでも、「働く手段」という意味での放射線防護ということでご理解下さい。

 また、別の側面として、放射線防護の基準が厳しいのは、IAEAやICRPが定めていて日本の法律もこれに準拠しているからです。こうしておかないと、国際査察に通らないし、外国出身の科学者技術者に日本で安心して働いてもらえないという事情もあります。食品の安全基準で外国に輸出することを考えるのと同じですね。
  労働条件はどうなんでしょうか。経済のグローバル化、働き方改革を言うならば、まずは、勤務時間や休暇が先進諸外国の実態に近づくように考えるべきだと思うのですが、「カローシ」が国際語になっているという話からは、まったくそうではないように思います。国際的に通用しない実態や議論のままで国際化を目指すとは、典型的なダブルスタンダードです。

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