銀河の教会2019年02月13日 20時24分16秒

最近、こんな絵葉書を目にして驚きました。


巨大な渦巻銀河をモチーフにしたステンドグラスです。
上の絵葉書は絵柄が鮮やかに浮かび上がるよう、黒白のコントラストが強調されていますが、実際の光景はこんな感じだそうです。


(究極のソース不明ながら、Flickrで見かけた画像)

このステンドグラスは、イングランド南西部のドーセット州に立つセント・ニコラス教会を飾る作品。当然、古い時代のものではなくて、1984年に設置されたもので、作者は、詩人にしてガラス彫刻家のローレンス・ウィスラー(Sir Laurence Whistler、1912-2000)

(St Nicholas' Church。英語版Wikipediaより[ LINK ])

同教会は、大戦中に甚大な空襲被害を受け、戦後修復・再建されました。
その目玉ともいえるのが、1955年以降、順次設置された一連のウィスラー作品で、この銀河のステンドグラスは、その掉尾を飾るものです(もう一点、ウィスラーの死後に設置された曰くつきの作品がありますが、ここでは割愛)。

教会のステンドグラスというと、光と色の洪水でむせ返るような作品が多いですが、これらは透明なガラスを、ルーターやサンドブラストで加工したもので、むしろキリッとさわやかな印象。でも、壮麗な<光の芸術>であることにかけては、色鮮やかなステンドグラスに劣らず魅力的です。

銀河の造形は、伝統的な教会建築として一寸異質な感じもしますが、おそらく広大な宇宙を描くことで、宇宙を統(す)べる神の御稜威(みいつ)を高らかに示そうという意図があるのでしょう。

この教会で、重厚なパイプオルガンの音や、美しい聖歌を耳にしたら、なかなか気分が高揚するでしょうね。と同時に、暗黒卿や、男勝りの姫君が登場する、スペースオペラの一場面を連想するかもしれません。


“A long time ago in a galaxy far far away…”