桜を愛でる師走2019年12月07日 14時24分26秒

桜を見る会の件で、安倍氏とその取り巻きが犯した罪は数々あれど、私が人知れず憤慨しているのは、安倍氏のおかげで、桜に何となく薄汚いイメージがまつわりついてしまったことです。

もちろん、桜に一切罪はなく、ひとえにその咎は、桜にことよせて無法なふるまいをした安倍氏自身にあります。しかし、これから年々桜を見上げるたびに、きっと私の心には安倍氏のエピソードが去来するでしょうし、苦い記憶が重なることで、桜の見え方もこれまでとは幾分違ったものになるでしょう。

とはいえ、年月が重なれば、いつか暗愚な為政者の逸話も歴史の一ページとなり、桜はそうした俗世の出来事とは無縁に美しく咲き誇り、むしろそのコントラストが、桜をいっそう美しく見せることになるかもしれません。…でも、それはまだ少し先の話です。

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その「少し先」に備えて――あるいは「少し先」を手繰り寄せるために――桜の勉強をすることにしました。

探してみると、桜に関する本は山のように出ています。図書館に行けば、桜の本は植物学の棚にもあり、文学や美術のコーナーにもあり、あるいは民俗や宗教の棚にも並んでいるという具合で、桜の見せる顔は多面的です。そして、それらの顔が混然となって桜の魅力は構成されているようです。

これから注文した本が順次届くにつれ、ちょっとした桜ブームの到来です。

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何はともあれ、桜はあくまでも清々しい心持ちで見上げたいものです。