太陽シミュレーター2020年01月08日 21時12分34秒

先日来、星が空をぐるっと一周する時間は23時間56分だという話をしています。
では、改めて24時間は何を意味してるのか…といえば、こちらは太陽が空を一周する時間です。そもそも太陽の日周運動を基準に、昔の人が編み出したのが、24時間制です。

ただ、これも厳密に言うと、太陽の日周運動にも季節による遅速があって、常に24時間というわけではありません。平均すると24時間ということです(地球の楕円軌道や地軸の傾きのせいです)。

そうした太陽の動きを、いちばん単純に模した時計を見つけました。


24時間表示の1本足の時計。時針のみで分針はありません。
これ以上ないというぐらいシンプルな構造ですが、これを見ていると、いろいろ考えさせられます。


真ん中を水平に区切る境界は大地です。
大地より上に太陽があれば昼、地面の下に沈めば夜で、それが太陽と月の絵でシンボライズされています。

そして、太陽の動きを表現するのは、この針の動きそのものです。
この時計の中の世界では、毎日朝6時に日が昇り、12時に南中し、18時に日没を迎えます。

実際、赤道付近や、日本でも春分や秋分の頃は、こんな風に太陽が動くわけで、太陽は天然の巨大な時針であり、太陽の動きを模して時計が生まれたことが、これを見ると素直に納得できます。

でも、ここから先はどうか?
この単純なからくりを、さらに正確な太陽シミュレーターとするには、どこを改良すればよいのか?…ということになると、話は途端に難しくなります。私にも何をどうればいいのか分かりませんが、その試みは、たぶん古代の天文学の発展のあとをなぞることになるでしょう。


ちなみに、メーカーはスヴァールバル社(Svalbard Watches Ltd.)。
タックス・ヘイヴンの関係で、キプロスが会社所在地になっていますが、実際の本拠はイギリスのようです。