余滴2020年01月11日 13時39分43秒

イラン情勢は小康状態に至ったようで、本当に良かったです。

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イランといえば昔のペルシャ。
そして、イスラム化する前の古代ペルシャ世界で人々の心をつかんだのが、光と炎をあがめるソロアスター教です。

「世界は光と闇の闘争である。」――ゾロアスターはそのように説きました。
まあ、善と悪が長い時を超えて、常に角逐を続けている…というのは、ゾロアスター教に限らず、世界の諸民族に共有されてきたイメージでしょう。

諸国の戦争指導者も、「これは光と闇の戦いである」みたいな言い方を好みます。
現実が神話と違うのは、現実世界では、こちらがそう言えば、向こうもそう言うことです。どちら側から見ても、こちらは常に光で、敵は常に闇なのです。

でも、生身の人間の戦争なんて「闇と闇の戦い」に決まっています。
人間世界に真の光と闇の闘争があるとすれば、それは賢明で柔和な心が、蒙昧で凄惨な心に圧倒されないよう、不断に自省することこそ、それだと思います。

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我ながら一寸お説教じみたことを書きましたが、まあ何にせよ戦争はよくないです。
戦争も外交手段の一つに過ぎないと言う人もいますが、一面確かにそうでも、人間に蒙昧で凄惨な心がある限り、それだけではすまないのが戦争の恐ろしさです。