日本の星座早見盤史に関するメモ(10)…三省堂『新星座早見改訂版』(上) ― 2020年06月20日 18時13分09秒
「星座早見」が「新星座早見」になり、さらに「新星座早見改訂版」の時代へ。(以下、それぞれを「旧版」、「新版」、「改訂版」と呼ぶことにします。)
(ジャケット裏面。文字情報を確認できるよう、大きな画像にしてあります)
改訂版は発行年が明記されていて、1986年7月が第1刷。年号でいえば昭和61年、まさに昭和の掉尾を飾る早見盤です。(手元のは1998年6月の第17刷ですが、「版」ではなく「刷」ですから、中身は当初のままのはず。)
お値段1200円というのは、「新星座早見」が1970年代(推定)当時1000円だったことを思うと、ずいぶんお安く感じますが、これは物価上昇の鈍化に加え、素材の変化によるところが大きいと思います。
(裏面)
新版は星座盤が金属製でしたが、改訂版はオールプラスチック製。
錆びる心配がなくなったし、持ち運びにも便利ですが、あえていえばペラペラで安っぽい感じです。これも軽薄短小化という時代の流れを受けたものでしょう。ただ、薄くなった分、直径は24cmと、大きさは心持ち大きくなっています。
(改訂版と新版)
カラーリングも、昭和30年代がこだましていた新版とは、ずいぶん印象が異なります。
機能面でいうと、新版が「4等星以下」としていた部分を「4等星」「5等星」に分けて、その分、記載星数が増えたのと、対応緯度が30度までだった新版に対して、改訂版は25度まで対応しています。(そのため南天星座(円周部)がボリュームアップし、それが直径が大きくなった理由の1つでしょう)。
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ところで、ジャケットの中には「ご利用の参考に」という解説リーフレットが同封されているのですが、これを読んで一寸驚いたことがあります。
(この項つづく)
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