墓参り2020年08月10日 11時13分30秒

今年の夏はこんな有様ですから、帰省もお墓参りもできません。
しょうがないので、よその家のお墓参りをすることにします。

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『気球に乗って。ユングフラウを越えてイタリアへ』の紹介記事を書くにあたって、著者ゲプハルト・グイヤーのことを調べていたら、ひょっこり彼のお墓の前に出ました。もちろんネット世界でのことです。


場所はチューリッヒ東郊、バウマの町の一角。
グイヤー家は鉄道事業で成功した、地元の名望家でしたから、そのお墓も立派で、ゲプハルトのお父さんにあたるアドルフ・ハインリヒの肖像を中心に、一族の名前がずらりと刻まれています。ヨーロッパにも、「○○家先祖代々の墓」みたいなのが、やっぱりあるんですね。

20代でユングフラウ鉄道の支配人を務めた、我らがゲプハルト・グイヤーは同家の三男坊。墓石を見ていくと、一族の名前の中に、ゲプハルトと妻マリーの名が、「GEBHARD GUYER 1880 – 1960」、「MARIE GUYER-LÖBENBERG 1878 – 1959」として読み取ることができます。

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ゲプハルト・グイヤーは気球に乗って広大な視野を獲得しました。
現代の我々は、たとえ懐が素寒貧でも、ネットによってさらに広大な視野を得ることに成功しています。それが良いか悪いか、まあせいぜい良いと思って、より良いものとなるよう努めるしかないんでしょうね。

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縁あってお墓に詣でたので、夫妻に花を一輪手向けておきます。


グイヤーも日ごろ目にしたであろうエーデルワイス。
花言葉は「大切な思い出」。

それ自体が花のように美しい『Atlas der Alpenflora(アルプス植物図鑑)』(Anton Hartinger & Dalla Torre(著)、Eigenthum und Verlag des Deutschen und Oester(Wien)刊、1884)の表紙から採りました。