ふしぎの人2021年01月16日 17時08分40秒

安野光雅氏が亡くなられました。
享年94歳。世間的には大往生といえるのかもしれませんが、やはり深い寂しさをぬぐえません。

その死が公になったのは今日ですが、実際に亡くなられたのは昨年12月24日のことだそうです。その前日、12月23日に、このブログで偶然氏の絵本を採り上げたのも、何かの縁でしょう。そしてその後は「月の流れ星」の話題と、「死と再生」の話題が続いたのでした。

安野氏の本を手にしたのは、私がまだ小学校に上がるか上がらないかの頃です。その幼い子供の頭が、いつのまにか霜のようになっているのですから、なんだか夢を見ているような、安野氏の不思議な作品世界に迷いこんだような気分です。

とはいえ、氏はことさら<不思議>を描こうとしたわけではなくて、この世の成り立ちを正確に描こうとすれば、それは必然的に不思議なものにならざるを得ないのだ…と思います。

世界は安野氏の巨大な絵本であり、安野氏の絵本の中には確かに世界がありました。

(出典:平塚市美術館 https://bijutsutecho.com/exhibitions/4214

コメント

_ S.U ― 2021年01月17日 08時06分54秒

玉青さんは、安野さんとのお付き合いが古いのですね。小学校に上がるか上がらないかというのは、まさにラッキーな「現役最前線」の読者だったのですね。

 私は、わずかの?年代の差のためか、氏の絵本と接するようになったのは、もうちょっと成長してからです。大学で教職科目を取っていた頃だったかもしれません。福田繁雄さんと記憶がごっちゃになっています。数学に関する作品が入り口だったのかもしれません。

 本の名作は、最前線の時代でなくなっても、祖父母から孫へくらいは楽勝で引き継がれて重版されるので、偉大な世界に今も気楽に接することができてありがたいです。

_ 玉青 ― 2021年01月17日 08時45分45秒

そう考えると本当にラッキーでしたね。私の場合、とにもかくにも『ふしぎなえ』の衝撃が大きくて、決して大げさでなしに、あれは私という人間の骨格を形作った本かもしれません(あれに匹敵するのは「漂流教室」ぐらいです)。
安野氏の作品は長く読み継がれてほしい…と私が願うまでもなく、きっと読み継がれることでしょう。

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