アストロラーベ再見(1)2022年03月09日 20時02分40秒

ウクライナでの戦闘が止まりません。
ニュースで配信される現地の映像は、ただただ痛ましく、心が曇ります。

ブセボロードさんからは、その後も折々メッセージが届きます。前回の記事に動画で登場した、アストロラーベ作りの金工作家氏――ブセボロードさんによれば、彼は「宝石屋の息子」ではなく、彼自身が宝石屋なのだそうです――も既にキエフを脱出し、ポーランドに向かったが、その手前でまごまごしてるんだ…という話。

そんな話を聞くと、ウクライナの人だって別に戦災慣れしているわけではなくて、ほんの1か月前まで、我々と同様に、ごく普通の日常を送っていた人たちばかりだという、当然のことを思い出します。日常とはかくも脆く、私の身辺だって、いつどうなるか分かりません。「要するに彼らは私であり、私は彼らなんだ」と、理屈を超えてそんな気がします。

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さて、この機会にアストロラーベについて振り返ってみます。

アストロラーベとは結局何なのか、その構造と用法がしっかり腹に落ちている人がどれぐらいいるのか、少なくとも私は正直あまりよく分かってなかったんですが、先日ふとそれが分かった気がしました(例によって「気がする」だけかもしれません)。


それは、モダンな構造の――でも原理は昔のものと同じ――アストロラーベを手に入れてクルクル回したからで、基本的に私は自分の手元でクルクルしたり、パラパラしないと分からないタイプなのでしょう。そのクルクルの成果を、自分へのメモもかねて、文字にしておきます。

(この項つづく)