MOON & BATS2022年08月30日 19時05分20秒

今日もマッチつながりの品です。


「月に蝙蝠」の絵柄のヴェスタケース
ヴェスタケースは、マッチを入れて携行するための用具で、これまたマッチの良き友です。時代的には19世紀末ぐらいのものでしょうか。

蝙蝠は世界中にいますから、「月に蝙蝠」の図柄も、洋の東西を問わずあると思いますが、この品に関しては、ジャポニスムの匂いをそこはかとなく感じます。ちなみに売ってくれたのはイギリスの人。

(月のヴェスタケース。全3回の記事の第1回はこちら。上の画像出典はこちら

以前も月にちなむヴェスタケースを3つばかり紹介しましたが、これもその流れで見つけたもの。


ライター式の蓋を開けると、中はがらんどうで、ここにマッチを入れます。


マッチを擦るときは、この底部のくぼみのギザギザでシュッ!
まあ、これは今の「赤燐マッチ」には無理な芸当で、こすっただけで簡単に発火する、昔の「黄燐マッチ」なればこその技です。

   ★

夜の街角でこんな品をポケットから出して、シュッと一瞬の焔を生み出し、一呼吸おいてからフーッと煙を吐き出す黒い影。煙が立ちのぼる先に目をやれば、銀の三日月と蝙蝠が一羽、二羽…。

今やタバコの評判がすこぶる悪くて、なかなか共感が得られにくいですが、やっぱり悪くないシーンだと思います。