ハレー彗星の星座早見盤2023年02月15日 06時02分45秒

ハレー彗星の話題の続き。
1986年のハレー彗星接近を当て込んだ星座早見盤を見つけました。


同様の品としては、オーストラリア製の南天用早見盤を採り上げたことがありますが(LINK)、それと似たようなものが日本にもあった…というのが、今回の発見です。

(右がオーストラリアのカルテックス社の早見盤。一辺30cnとかなり大型です。対する日本製は幅19cm)

(星図部拡大)

同年の3月から4月にかけてぐんぐん尾を伸ばしていくハレー彗星の予想図に、当時の天文ファンは胸を高鳴らせたと思いますが、このときは観測条件が悪く、特に日本からは、ほとんどその姿が見えなかったと聞きます(以前の記事にも書いたように、このとき私は天文から遠ざかっていたので、リアルな記憶がありません)。

ここに描かれているのは、現実のハレー彗星というよりも、人々の心の中を飛んだ幻の大彗星であり、それだけに一層愛おしいものを感じます。

   ★

なお、この早見盤は単体で販売されたのではなく、以下の紙工作本に含まれるコンテンツの1つのようです。

■藤井旭(構成)
 『切りぬく本 ハレー彗星観測ガイド』
 誠文堂新光社、1985

コメント

_ S.U ― 2023年02月15日 14時23分53秒

1985~86年のハレー彗星、はるか過去の記憶になりましたね。この時は、北半球からの条件が悪かったので、それだけ頑張って見ようとしたのでその記憶が残っています。ただ、頑張った記憶ばかりで、見えた彗星の画像としての記憶は薄いです。
 今、観測記録をくってみると、1986年の近日点通過前に最後に私が見たのは1月24日の夕方で4等級、近日点通過後に最初に私が見たのは3月3日の明け方で3等級となっています。いずれも7倍50mmの双眼鏡です。我ながらまあよく頑張った記録だと思います。上のURLにハレー彗星の観測記録を公開している我々の天文同好会誌を引用します。「つづく」とありますが、情けないことに下編はありません。

 この星座早見は今となっては記憶にありませんが、たぶん当時は目にしたこともあったと思います。実用というより、記念になるものですね。藤井旭さんは、これから37年を経て、昨年暮れにお亡くなりになりました。そして、今年12月にハレー彗星は遠日点を通るそうです。ハレー彗星の半周期も一瞬の夢まぼろしのように思います。

_ 玉青 ― 2023年02月16日 21時03分21秒

貴重な同時代の記録をありがとうございます。記事では「ほとんどその姿が見えなかった」と書きましたが、これはちょっと言いすぎでしたね。その姿は確かに日本からも見えた。ただし、望遠鏡や双眼鏡の力を借りて…というのが実態だったでしょうか。
S.Uさんに先んじられましたが(笑)、今日は遠日点通過ネタで記事を1本書きました。

_ タンタン ― 2023年02月18日 15時37分28秒

このガイドは当時小2の私にはお小遣いでは買えず、父が根負けするまでプラネタリウムの売店から動かなかった事、裏表紙の模型を作っては彗星の尾の長さに驚き、初めての木工ではドブソニアンを作ってから必要部品の接眼レンズと反射鏡の価格に絶望しました。祖父たちのお陰で完成した時の事が最近の事のように思い出します。まわりがファミコンをやっている時に星空を眺める子なら割安だろうと両親に言った時にファミコンやらせておけばと後悔してると言われました

_ 玉青 ― 2023年02月19日 11時45分43秒

これは良いお話を聞けました。素敵な思い出ですね。
上の記事を書いてから、「毒を食らわば皿まで」(?)の心境で、藤井さんの「ハレー彗星観測ガイド」を古書店で購入したので、タンタンさんのお話を仔細に理解できるのが私的に嬉しいです。あのドブソニアンを、小学校低学年で手掛けられたのはすごいですね!「ファミコンよりお金がかかるにしても、そこから得られるものの大きさを考えると、やっぱり圧倒的に割安ですよ」…と、当時のご両親に申し上げられるものなら申し上げたい気がしますが、こうしてコメントを頂戴している以上、タンタンさんにもきっと同意していただけることでしょう。😊

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