残花 ― 2023年04月14日 17時01分57秒
桜はもうすっかり散って、ソメイヨシノは葉桜の装いです。
でも、よく注意して眺めると、まだ枝ごとに一、二輪の残り花を見ることができます。
生き遅れ、死に遅れた花たち。
もし花に自意識があったら、かつて無数に咲き誇った仲間の存在を聞かされた時、どんな気持ちがするでしょうね。
そういえば、シーズン最後の蝉の声を聞いたときも、似たような感慨を持ちました。
彼はいったい何のために鳴いているのだろう? おそらく彼に配偶者はもう現れないし、周囲には競い合うライバルだって一匹もいないのに、なぜそんなに声を張り上げているのか?
もちろん、花は無心に咲き、蝉は無心に鳴いているだけのことで、こんな感慨は時代に遅れた人間が、眼前の対象に自己を投影しているにすぎません。でも…。
我ながら感傷的だと思います。
春の愁いはもう少し続くことでしょう。
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