星への旅 ― 2023年12月02日 15時56分33秒
こんな品を見つけました。
表面に「POST-BOOK」とあります。ひょっとしたら今でもあるのかもしれませんが、当時は切手を貼るとそのまま投函できる、こういう小さな絵葉書サイズの絵本があったらしいです。
「星への旅 A Trip to the Stars」。
タイトルページを除き全13ページ。ぱっと見、1920年代の品かな?と思いましたが、よく見ると1907年のコピーライト表示があって、意外に古いものでした。
タイトルページ以外は、オールカラー(おそらく網点併用のクロモリトグラフ)の凝った作りです。作者のOlivia Barton Strohm(1869-1953)は、シカゴ在住の作家で、当時広告業界でも活躍した女性のようです。作画を担当したClaude L. Ottman については未詳。
内容は、テッドとジュディの兄妹がお手製の凧に乗って、星の世界を大冒険するというもの。
お腹がすけばミルキーウェイで牛乳を一杯。
流星に凧を燃やされそうになってハラハラしたり、彗星の尻尾をつかまえたり、土星の環っかのメリーゴーランドを楽しんだり…。
最後はお決まりの夢オチという他愛ないお話ですけれど、ここには何の教訓もないところがいいですね。
★
童心や無邪気さを無条件に肯定できる世界―。
それを与えられている子どもは、今の世界ではむしろ少数かもしれません。
それでも、すべての子どもの頭上には、今も無限の星空が広がり、そこに夢を託すことが許されています。すべての子どもにとって、星の世界が、常に美しい夢とおとぎの国でありますように。
せめて星の世界だけでもそうあらねば、あまりにも救いがないではないか…と、悲惨なニュースを見て思います。
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