アストロラーベで天意を読み解く2024年01月07日 09時33分15秒

昨日登場したジョヴィラーベは、これまで何度か紹介したウクライナのブセボロードさん(屋号はMasterTerebrusの製品です。ああいう渋い品を一般向けに供給してくれるブセボロードさんのような存在は本当に貴重です。

しかし、ウクライナの状況はご承知のとおり。
いろいろな出来事が立て続けに起きる中、メディアを通じて入ってくるウクライナ関連の情報も一時より薄くなっている気がしますが、情勢は緊迫したまま推移しており、東部諸州はもちろん、首都キーウへのロケット攻撃もやんではいません。ブセボロードさんが、制作活動に専心できる世の中が一日も早く訪れてほしいと願うばかりです。

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先日、ブセボロードさんから新年のあいさつと共に、能登半島地震へのお見舞いの言葉をいただきました。自身が大変な中、他者を気遣えることは、彼の豊かな人間性を物語るものです。

メッセージの中でブセボロードさんは、MasterTerebrusが昨年1年間に稼いだお金の大半がウクライナ軍支援のために使われたと述べています。ヘルメット、発電機、チェーンソー、ストーブ…そうした多くの備品を、各部隊に寄贈するためです。

ウクライナでは、そうしたボランタリーな支援に感謝の意を表するために、当該部隊のバッジ(徽章)を贈るというインフォーマルな習慣があるそうで、ブセボロードさんは「どうです、これはなかなか高価なコレクションなのですよ…」と書き添えて、その写真を送ってくれました(それだけの費用がかかっているという意味でしょう)。


ということは、私がMasterTerebrusの製品を購入したことは、回りまわってウクライナ軍の支援にもなったわけです。私は平生、平和主義を唱えていますが、それと同じ重みで大国の膨張主義には反対しているので、これはあえて義挙として、自ら誇りたいと思います。

MasterTerebrusは、典型的な多品種少量生産のお店なので、いちどきに注文が重なると、かえってブセボロードさんの負担が増えてしまうかもしれませんが、その点を念頭におきつつ、アストロラーベや天文機器がお好きな方は、ぜひショップ【LINK】を覗いてみてください。(ジョヴィラーベも今ちょうど一点在庫があるようです。)

【おまけ】


緑したたる美しい路地。キーウの街の何気ない日常―。

Google ストリートビューが見せてくれるその世界は、しかし2015年当時のものです。仮に多くの建物がそのままだとしても、そののんびりした空気感はとうに失われてしまったことでしょう。痛ましいというほかありませんが、前年の2014年にはロシアのクリミア併合があり、現在へと至る種は、すでにまかれていたのかもしれません。