真夜中色2016年10月11日 06時48分47秒

そういえば、この土星の青い缶も、最初まちださんのところで見たのではなかったか…

(背景は雑誌『Flâneur』 裏表紙)

カーター社のタイプライター用インクリボン。
ブランド名は『ミッドナイト』。


この缶は数が残っているので、わりとよく見かけますが、中のリボンも完品なのは比較的珍しいと思います(リボンは所詮消耗品なので)。

気になる「真夜中色」はどんな色かというと…


この藍染のような色が、深夜の空を染め抜く色なのです。


真夜中に、真夜中色の文字が綴る、真夜中の物語。
まあ実際には、散文的なビジネスレターなんかに使われることが多かったでしょうが、遊歩者流に想像すると、そこにいろいろなドラマが浮かびます。

コメント

_ S.U ― 2016年10月11日 17時46分03秒

あぁ、いい感じの色あいですね。缶もインクも。
 昔は、つけペン用のインク瓶も濃い青が主流でしたね。青いインクは、湖畔の宿で一人したためる手紙によく似合うと思います。

 今でも西洋人は、青いボールペンを普通に使っているみたいです。日本では、ちゃんとした書類は黒インクで記入しないとちょっと憚られますが、西洋人は領収書など青で書いています。何か民族的な感覚の違いがあるのでしょうか。

_ 玉青 ― 2016年10月13日 20時05分07秒

>湖畔の宿

おっと、出ましたね(笑)。S.Uさんがコメント欄で「湖畔の宿」に言及されたのは、これで何度目か、にわかに分かりませんが、そういう「魂の歌」をお持ちになれたことは、たいへん幸福なことだと思います。

ときに日本人の黒インク志向は、ずばり墨書の名残じゃないでしょうか。
そして「朱を入れる」のも、日本は相変わらず赤ペン一本やりで、この辺の感覚はまさに百年一日、実に強固なものがあります。(これが英語だと、「添削する」意の動詞として「blue-pencil」の語を使うと、さっき知りました。)

_ S.U ― 2016年10月14日 07時02分14秒

>百年一日
 文字は黒々と、朱書は赤で、そして青インクはちょっとハイカラで・・・ 案外、単純な構造なのですね。よく納得できました。

 英文の校閲を会社に発注して、赤ペンで返ってくると校閲者は日本人、青ペンなら英米人というふうに判断できるんでしょうか。

>湖畔の宿
 昭和歌謡評論も百年一日のごとき状態です。

 私の「魂の歌」は五指に余って十指に足りないくらいはあるのですが、天文古玩さんの浪漫路線にかかるとどうしてもこの曲になってしまうのです(← ト卑怯にも半分ひとのせい)

_ 玉青 ― 2016年10月14日 21時46分31秒

あはは。
まあ、何にせよ湖畔の宿はいい曲ですから、私のせいにしていただければ鼻が高いです。(^J^)

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