彗星は空を飛び、ネットの海を超える2017年09月16日 11時35分28秒



1910年頃の彗星ブランドの煙草パッケージ。
これもハレー彗星を当て込んで売り出されたもののようです。


夜空を翔ぶ彗星と煙草―。
パッケージを見た瞬間、そこにタルホチックなものを感じました。

ただし、これはシガレット(紙巻き煙草)ではありません。
「plug cut」というのは、パイプに詰めて吸う刻み煙草のことです。


メーカーは米国ニュージャージー州のロリラード社で、調べてみると、ここは1760年創業のおそろしく古い会社で、その後も企業買収や合併を繰り返しながら、つい先年まで存続していた由。

下の注意書きには、「当社の製品は、法的許可を得て包装したものであり、このパッケージを再利用して、再び煙草を詰めることは、固く禁じられている」…といった趣旨が書かれています。現在もそうですが、当時も煙草の流通には、当局が厳しく目を光らせていました(その主たる動機は、健康面への配慮というよりも、徴税の関係でしょう)。


煙草を包んだ銀紙の風情や、貼られた証紙の表情が、また良い感じです。
驚くべきことに、このパッケージには100年前の煙草がそのまま入っていて、鼻を近づけると、今も煙草の薫りが強烈に漂ってきます。

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昨日のシュナイダー氏のサイトに出会ったのは、この彗星煙草がきっかけでした。

いろいろ検索しているうちに、氏のサイトの3ページ目に、缶入りの同じ煙草を見つけ、さらにそれ以外のコレクションも見て回りながら、「こりゃすごいページに行き会ったぞ!」と興奮しつつ、最初のページに戻ったら、その管理人こそあのシュナイダー氏だったのです。

まあ、狭い世界なので、いつかは出会う運命だったのかもしれません。
しかし、タルホ氏によれば、彗星は不思議な偶然を地上にもたらすそうで、その影響も十分考慮されねばなりません。