ペーパー・アーミラリー2019年01月06日 13時17分48秒

わが家には、れっきとしたアンティークの仲間入りをしつつあるアーミラリーも、ちゃんとあります。昨日まで問題にしていた「実用性」があるのか無いのか、そこが微妙なところですが、可憐であることは間違いありません。

(1911年創業で、バルセロナに今も続くセイズ・バラール(Seix Barral)社が出したアーミラリー。著者はエスコラピオス修道会のホアン・カンプ神父。)

(1876年~1958年までマドリードで営業した、これまた老舗のカリェハ(Calleja)出版社の「工作シリーズ」の1つ。作画はエルムアとありますが伝未詳。)

いずれも1930年代ごろに、スペインで発売されたものです。
紙製のパーツを抜いたり切ったりして組み立てる、子供向けの品で、こういう素朴な組み立て玩具は、日本も含め世界中にあったと思いますが、モノがアーミラリーという点は、さすがは名だたる海洋帝国の子孫と思わしむるものがあります。



それにしても、細部の絵がいちいち可愛いですね。


カリェハ社の方は全体が四つ折りになっていて、広げると「懐かしい鮮やかさ」とでも言うべき色合いが、パッと目に飛び込んできます。

実用性はちょっと疑問にしても、これらは子供たちの夢をはぐくもうという姿勢において、やっぱり「真面目」なんだと思います。



完成したアーミラリーを手にした子供たちの目の輝きが浮かぶようです。
でも、現実の1930年代のスペインは、左右両派の激しい内戦と、それに続くフランコ独裁政権の成立という、国全体が大きく揺れた暗い時代でしたから、子供たちの夢と目の輝きがその後どうなったのか、少なからず危ぶまれます。

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