七夕のふみ2019年07月07日 09時17分57秒

七夕にちなむ艶な品。
絵葉書サイズですが、裏面は白紙なので、絵葉書ではありません。おそらく明治か大正の頃に版木で刷った、一種の挨拶状です。


メッセージが、笹竹にぶらさげた七夕飾りの体になっているのが洒落ています。


赤い色紙をめくると、さらに浅黄の色紙へとメッセージは続きます。

この崩し字は、流麗すぎて、にわかに判読しがたいですが、要は「七夕の頃には、せめて年に一度の逢瀬と思うてお出かけくださいまし」と、粋筋が得意客に配ったものでしょう。(左上に見える「そがのや」という屋号は、待合か何かでしょうか。)

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天上の星が出会えば、地上の人もまた出会う。
まあ、上の挨拶状は若干慾まじりかもしれませんが、そういうのを抜きにして、七夕が懐かしい人と交流する機会となるなら、それに便乗しない手はありません。

そういえば、昔の七夕は盆の行事と一部混淆していたので、そうなると七夕は文字通り懐かしい人(故人)と再会する機会でもあったわけです。