昼と夜2020年01月09日 21時03分58秒

こんな玩具を買いました。

(棚から出すのが面倒なので、今日の写真はすべて商品写真の流用です)

戦後の東ドイツ製で、おそらく1950~60年代ものでしょう。タイトルの「Sonne-Mond-schießen」は、英語でいうと「Sun-Moon-shooting」の意。



吸盤のついたおもちゃの弓矢で、太陽と月の的を狙う室内ゲームです。
的に矢が当たると、太陽と月がくるくる入れ替わるのを面白がるという、至極他愛ない遊びですが、そこには昼と夜、光と闇の闘争という原始神話めいた構造がほの見えます。

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ここで気になるのは、昼間の太陽はいいとして、「夜の顔」が月でいいのかどうか。

地球から見る月は、星座の間を縫うようにして、天球上を1年間に約12周回ります。もちろん、月が地球の周りを、1年で約12回まわっているからです。

太陽も含めて考えると、その過程で<太陽―月―地球>の位置関係になることもあるし、<太陽―地球―月>の順になることもあります。前者は太陽と共にある月、言うなれば「昼間の月」です。そして後者が、太陽とは反対に位置する「夜の月」。(月相でいえば、前者は新月の前後半月、後者は満月の前後半月です。)

結局のところ、月が顔を見せるのは昼も夜も半々で、特に夜の存在とするには当たらないのですが、どうしても夜の月のほうが目立つし、月相から言っても明るいフェーズなので、夜の顔っぽく思えるのでしょう。この月と夜の結びつきは、古今東西共通するもので、きわめて強固に人類の脳裏に刻み込まれた観念のようです。

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ところで、月は昼間に出たり、夜に出たりするのに、なぜ太陽は昼間にしか出ないのか分かりますか? これは小さい子供に訊いても良いし、ボーッとしている大人に訊いても面白いかもしれませんね。

答はもちろん「太陽が出ている時間帯を昼間と呼ぶから」です。
でも、これは見かけほど馬鹿々々しい問いでもなくて、こういうところから、人はふと「我思う、故に我あり」の理を悟ったりするものです。