Iron Insects2022年09月02日 09時00分58秒

机辺に置かれた鋳鉄製の虫。


手元の買物帳には、「1996 11/25 インド鉄工芸品 虫3種 800×3 LOFT」とあるので、もう26年もの付き合いになります。

もっとも、彼らは26年間ずっと机辺に棲んでいたわけではありません。
ご覧の通り至極他愛ない品なので、長いこと引き出しにしまいっぱなしでした。でも、このあいだ久しぶりに見つけて、手にしたときの重みがいいなと思って、こうして復活させました。


こちらはバッタの類で、


こっちはタマムシ類のイメージでしょうか。いずれも、ごく素朴な造形です。

こういう品を買った個人的動機としては、当時何となく自然を感じさせるものが欲しかった…というのがあります。この点は以前の記事でも省察しました。ちょうど下の記事に出てくる魚やクワガタの工芸品と同じ時期、同じ動機に基づいて、この鉄の虫たちも買ったのだと思います。(当時のエスニックブームも影響していたかもしれません。)

■虫と魚

ちなみに、買物帳には「3種」とあるのに、2種類しかないのは、もう1種がヘビトンボLINK】のような姿をしていたからです。最初はそうでもなかったんですが、だんだんヘビトンボそっくりに見えてきて、私はヘビトンボがひどく苦手なので(咬まれたことがあります)、結局処分してしまいました。かわいそうな気もしますが、見るたびにネガティブな連想が働くものを、手元に置くことは忍び難かったです。

コメント

_ S.U ― 2022年09月03日 09時07分54秒

ご紹介の2種の作品は、エスニックのようでもあり、リアルなようでもあり、不思議な感じです。日本の明治に昆虫や甲殻類などの鉄工芸があったのを思い出しましたが、こちらはリアル一辺倒だったと思います。

 載せられていないのは「ヘビトンボ」というのですか。これは実物の昆虫を見た記憶はわかりませんが、私にも写真を見ただけで気持ち悪さMaxです。英語では、dobsonfly というそうで、ドブソンはネガティブな意味はなく実在の人名由来でしょうか? ご紹介のウィキペディアによると幼虫は日本でも「孫太郎虫」だそうで、孫太郎がドブソンなのでしょうか。

_ 玉青 ― 2022年09月03日 09時52分19秒

孫太郎虫の由来はネットでもすぐに知れますが、dobsonflyの語源は、英語サイトでも軒並み「不明」となっていますね。こういうときは荒俣さんの出番で、さっそく『世界大学物図鑑1・蟲類』を開いてみると、

「詳しいことはよくわからない。ただしアメリカの釣り人たちはオオアゴヘビトンボ Corydalis cornutus(英名 eastern dobsonfly)等の幼虫をよくドブソン(dobson)とよんで餌にする。とすると、幼虫のよび名が成虫に転用された例かもしれない」

と述べています。まあdobsonの由来は結局不明のままなんですが、何も分からないよりはマシです。(ちなみにDobsonという姓は「Dob + son」で、DobはRobertの愛称のひとつなので、結局RobertsonやBobsonと同じ成り立ちだと知りました。)

_ S.U ― 2022年09月03日 10時09分07秒

お調べありがとうございます。和名、英名とも、もとは幼虫に対する名前であること、「孫太郎」を英訳すると、Grandson boy あたりでしょうから、どっちも "son"を含んでいることが共通していて、よけい気になります。

_ 玉青 ― 2022年09月03日 10時55分28秒

その後もう一回調べたら、dobsonはopson(ご馳走)の転だそうです。opsonはギリシャ語由来の堅い単語ですが、釣り人にこの虫の名を問われた昔の聖職者が、「こりゃ魚にしてみればopsonじゃな」と言ったのが転訛して、その名を得たのだとか。(…というのは例によって作り話で、そんなエピソードがあれば面白かったのですが、どうやらなさそうです。)

_ S.U ― 2022年09月03日 13時18分42秒

転化で人名になったのですか。
幼虫が食用だそうで、日本でも、ザザムシは旅館や料亭で出るごちそうだそうですね。

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