閑語2022年09月23日 09時50分23秒

世上かまびすしい「国葬」の問題。
安倍さんの国葬については、私ももちろん反対です。

世間一般では、法的裏付けのない、内閣が勝手に決めた違法な国葬だから…という声も強いですが、ただ、あまりそれにこだわると、「じゃあ、臨時国会を開いて、手続きを踏んで決定したものならいいんだね?」と言われたとき、ぐうの音も出なくなる気がします。

もちろん、岸田さんの不法行為は、それ自体咎められねばならないですが(法治国家なので当然です)、それよりも私が安倍さんの国葬に反対するのは、私には彼がそれにふさわしい人物とは到底思えないというのがひとつ。

それと、そもそも国家が人間の死を序列化する(=国葬に値する人とそうでない人を、国が選別する)ことに、強烈な違和感を覚えるからです(靖国思想をちょっと連想します)。

後者は、安倍さんの問題とは離れた、国葬という制度そのものに対する批判なので、議論の際には分けて考える必要があります。それに、後者をつきつめると、私自身が「安倍さんは国葬にふさわしくない人だ」と主張するのも矛盾じゃない?という点にも跳ね返ってきます。まあ、私のは「彼は別に褒めそやすような人物ではない」という個人の感想に過ぎないので、国家の意思決定と同列に論じることはできないでしょう。

国葬は、このままなし崩しに挙行されるのかもしれません。
でも、おぼしきこと言わぬは腹ふくるるわざですから、はっきり反対であることを、ここに書きつけておきます。

コメント

_ S.U ― 2022年09月23日 10時18分30秒


>法的裏付けのない、内閣が勝手に決めた

憲法14条1項:
すべて国民は、法の下に平等であって、・・・社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
 
 これは国が個人に対向するにあたって職業で差別するのはいけないという意味ですよね。総理大臣が元総理大臣の国葬を決定できるなら、学校教員(の代表)が学校教員の国葬が決定でき、警察官が警察官の国葬が決定でき、土木技術者が土木技術者の国葬が決定でき、落語家が落語家の国葬が決定できないといけないと思いますが、私のいうてることはとてつもなくおかしいことでしょうか?

_ 玉青 ― 2022年09月23日 18時16分48秒

S.Uさんのお怒りはごもっともなれど、まあ、岸田さんの理屈を冷静に追うと、内閣による国葬決定の対象者は、総理大臣経験者に限らず、落語家でも、熊さん八つぁんでも、覚えめでたければ誰でもいいのでしょう。そして、それはまさに総理大臣だから許されるんだと、岸田さんは暗に言ってるわけです。法に服すべき行政府の長が、進んでそんな脱法行為をするというのは、まさに王様気取りでいる証拠で、まことにけしからん話です。そして、そのけしからん先例が他ならぬ安倍さんでしたから、今回の件はけしからんの二乗で、ますます以てけしからん話です。

_ S.U ― 2022年09月24日 06時32分54秒

私のほうも冷静に考えてみますと、やはり国葬自体が違憲なのだろうというのが私の結論です。だから、法律の作りようがないからないのでしょう。内閣が各職業から推薦をもらって平等に判断するというのは、叙勲・褒賞ではできているのかもしれませんが、国葬となりますと情報のタイミング的に現実に不可能ですし、どうやっても国民のあいだでもめるでしょう。また、叙勲などは国事行為で憲法7条、14条1,3項に合いますが、国葬はこれらの条文の想定外のように思います。ということで、国会で採決しても憲法違反でだめだよというエールを送らせていただきます。

_ 玉青 ― 2022年09月24日 07時29分00秒

エールをありがとうございます。
憲法に背く上に、何十億円も血税をつぎ込んだ挙句、国民に還元されるものは何もないという、まことにひどい話です。非道な上に無道で、無茶な話です。

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