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天文を中心に、「理科趣味」の雅致を、モノにこだわって嘆賞するサイトです。賢治、足穂、フープ博士へのオマージュ。リリカルな郷愁の天文趣味の世界へ... (since '06.1.23)

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暦の歴史を振り返る ― 2023年04月16日 10時17分36秒

暦の作成には古来、大きな難所がありました。
それは太陽が示すサイクルと、月が示すサイクルがどうにも噛み合わず、両者を整合させた暦がどうしても作れなかったことです。

農事の基礎となる季節の循環は、基本的に太陽のサイクルで考える必要がありました。でも、暦を作る立場からすれば、月の満ち欠けを基準にしたほうがはるかに簡単でしたし、実際、その方が月明かりや、潮の干満に生活を支配されていた人々には、実用的でもあったのです。

この2つのサイクルを不都合なく両立させるために、昔から多くの人が知恵を絞り、「太陰太陽暦」という折衷案を採用した国も多くありました。もちろん日本もその一つです。

   ★

夜が明ければ新しい一日が訪れ、日が重なれば季節はめぐり、やがて新しい年がやってくる…そういう意味で、我々は円環構造をした時の流れを生きています。

しかし同時に、過ぎ去ったときは二度と帰らず、赤ん坊は若者になり、若者は老い、やがて死んでいきます。宇宙もまた生成から衰退に至る道をたどり、いずれは無に帰すことを多くの神話が語り、現代の宇宙論もそれを支持しています。その意味で、時の矢は常に一方向に容赦なく飛んでいくものです。

暦学はもっぱら暦作成の技術を説くテクニカルな学問ですが、そこで生まれた暦は、上記のような多義的な「時」を表現するものとして、単なる参照ツールを超えた、人々のさまざまな思いがこもった存在です。そして、同じことは暦のみならず時計についても言えます。

   ★

…というような、暦と時をめぐる人々の歴史を、美しく、印象的に表現しているページを、天文学史のメーリングリストで教えてもらいました。


■Jason Farago
 Searching for Lost Time in the World’s Most Beautiful Calendar
 (世界で一番美しい暦のうちに、失われた時を求めて)
 2023年4月14日公開
 https://tinyurl.com/yckb4rkv

15世紀に制作された『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』をメインに据えて、他にも多くの図版とともに、人々が時の流れとどう向き合ってきたか、その歴史を縦スクロールの動的画面を使って簡潔な、そして詩的な文章で説いています。

この問題に関心のある方は、ご一読されることをお勧めします。
さまざまな思索と感慨を誘われる内容です。

by 玉青 [暦・編暦・改暦] [すてきなページ(リンク)] [コメント(0)|トラックバック(0)]

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