Day and Night2023年05月27日 09時13分27秒

しばらく前に、ちょっと変わったものを見つけました。

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上は1880年代頃の機械式幻灯(メカニカル・マジック・ランタン)です。


ひっくり返すとこんな感じ。


ハンドルを回すと、このラック・アンド・ピニオンによって、彩色した図柄がくるくる回る仕掛けです。


同種の製品には、いろいろな絵柄のものがありますが、この品は「地球の自転」及び「昼夜の変化」を説明するためのものです。

ガラス絵は2層になっており、昼と夜の絵は固定、歯車で回るのは地球の絵を描いたガラスだけです。ハンドルを回すと地球(北半球)がゆっくり回転して、各地域が順々に昼になり、夜になり、時刻が移り変わっていくのが分かるという、まあ単純といえば至極単純な内容ですが、その絵柄がいかにも美しいです。


メーカーはロンドンの「カーペンター&ウェストレー(Carpenter &Westley)」社
ただし、天文学をテーマにした機械式幻灯は、当時複数のメーカーから売り出されており、ほかにもNewton & Co、Watkins & Hill、Charles Baker…等々、さまざまなメーカー名をオークションでは目にします。でも、メーカー名を除くと、相互にほとんど区別がつかないので、たぶん製造元は1箇所で、各社はそれぞれ販売時に自社の名前を入れて売ってたんじゃないかなあ…と想像します。

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美しくも愛らしい1枚の天文幻灯。
でも、しばらく前に見つけた「ちょっと変わったもの」というのは、実はこれではありません。では何か?というのは、また次回。

(この項つづく)