空の上、空の下 ― 2023年06月03日 12時16分32秒
台風一過の青空が明るく広がっています。
今回のは台風そのものというよりも、その影響で前線上に発生した線状降水帯による被害、というのが正確かもしれませんが、とにかく激しい雨と風でした。
東京に出かけた家人が帰れなくなったり、身近なところにも影響がありました。
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ギンガリッチ氏の死に触発されて、あれこれ考えていました。
何にせよ、人というのはいつかいなくなってしまうものですね。
井伏鱒二は「サヨナラだけが人生だ」といい、寺山修司は「サヨナラだけが人生ならば、人生なんかいりません」といいました。でも、その二人ともすでに亡くなって久しく、「人生は短く、芸術は長し」の箴言だけが、今はひらひらと青空をただよっているようです。
こんなブログを書いている私自身に限らず、おしなべて古物を愛好する人は、身の回りに過去の遺物を積み上げて生活されているんじゃないかと思いますが、そのひとつひとつのモノの向こうに、今は亡き人の姿を思い浮かべると、突如自分がカタコンベのただ中にいるような気がしてきます。
それに対して、ゾッとするような思いを抱くのが真っ当な神経というものかもしれませんが、今は静かな安心感の方が大きいです。「自分もまもなく…」という気落ちが自然と湧いてくるからです。(たぶん本物のカタコンベに行っても同様でしょう。)
特に起承転結のない文章ですが、暗い部屋から青空を見上げて、そんなことを考えていました。
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