天文古玩

かつては、パリ大学に公開プラネタリウムがあったのですね。現在の「発見の殿堂」は科学博物館のようですから、今でも何らかのプラネタリウムはあるものと思います。

　「パリ大学」は、世界最古の大学の一つと習いましたが、今はずばり「パリ大学」という名前はなくなっているようです。それも、一度に消えたのではなく、50年ほどかけて徐々に消えていく途上のようで、かつては、パリ大学一つであったのが、パリ第何大学とかに分裂し、パリ・〇〇大学の愛称と並立し、愛称のほうが多く用いられるようになり、今では、愛称が本名になったようです（私の感じの話なので信用はなりません）。

　フランス人は現実優先主義で、名にこだわることはあまりないのかもしれません。銀河の上に雲と太陽が出ているのもそういうことかもしれません。

名称と指示対象、そして概念…。この辺の関係は非常に難しいですね。
本当かウソかは知りませんが、以前ある人がオックスフォード大学を見学して、各コレッジを案内された後に、「いやどうもありがとう。で、オックスフォード大学はどこにあるんですか？」と訊いたとか訊かなかったとかいう話があります。彼にどう説明すれば得心してもらえるのか？

同じ人が今度はパリ大学を訪問して、説明の途中で、「えっ！世界最古の歴史を誇る名門・パリ大学も、すでになくなってしまったんですか！！」とビックリしたら、それはそれで現地の人を困惑させると思うんですが、今度はどう説明するべきか？

「まあ名前は変わっても、そこには連続性があるので、要は“同じもの”ですよ」という説明もありだとは思うものの、これも突き詰めて考えると、「じゃあ、ヒトとナメクジウオは要は“同じもの”なんですね？」となりかねないし、やっぱりこの辺は難しいですね。