君の名は…?2024年10月14日 17時47分31秒

以下、小ネタです。

彗星が登場する映画というと、2016年に公開された新海誠監督の「君の名は。」をまず思い出します。

(主人公が高校生の姿のままで描かれた宣伝用のカット)

今でも印象に残る映画ですが、物語のラストで主人公の三葉と瀧が再会した階段のシーン、あれは東京の四谷須加神社の階段だ…というのは、ファンの間ではよく知られた事実と思います。


ストリートビューに投稿された写真を見ると、「なるほど」と思うんですが、こないだ地元・名古屋のストリートビューを見ていて、「あれ?」と思った眺めがあります。
千種区内の階段坂からの眺めですが、その高低差や「抜け感」でいうと、こっちの方が似てないですかね?


まあ、そうこだわるほどのこともないですが、階段の向こうに広がる光景をディスプレイ越しに眺めながら、映画のことを懐かしく思い出しました。

   ★

再会という点では、周期彗星そのものが再会を体現する存在です。
たぶん映画のストーリーはそのことも下敷きにしていると思いますが、作中のティアマト彗星(架空の彗星)は、周期1200年という設定だそうです。

紫金山・アトラス彗星の場合は、推定約8万年。
8万年後に「紫金山・アトラス彗星」の名を記憶している人がいるのかどうか、たぶんいないんでしょうけれど、だとするとあの彗星が「紫金山・アトラス彗星」と呼ばれるのは、彗星の生涯においてただ一度きりのことであり、なんだか無性にいとおしい気がします。

コメント

_ S.U ― 2024年10月15日 08時00分53秒

この小説、文庫本を読み、アニメ映画もTV放映で見ました。登場する女性陣は魅力的でしたが、彗星とタイムマシン的因果は突飛であまり納得いきませんでした。地方のほうの舞台は聖地になっているそうですが、都会のほうの由来は知りませんでした。

 ドラえもんのマンガに「ハリーのしっぽ」というのがあります。これも「空気のなくなる日」という彗星騒動に取材した文学と映画のスピンネタですが、私は気に入っています。

_ 玉青 ― 2024年10月17日 06時02分22秒

筋が通っているのか、いないのか、たしかに釈然としないところは残りますね。
まあ人の縁(えにし)は時空を超えて、不思議な結び目を作るものだ…というあたりで鉾を収めて、あまり深く考えてはいけないのかもしれません。

私があの映画でリアリティを感じたのは、むしろ「地方の閉塞した人間関係」の描写で、それと「自由な都会」の対照が生々しかったですが、あれは新海誠監督自身の成育歴が色濃く投影されているのでしょう(新海さんは、信州の田舎町で羽振りの良かった、地方ゼネコンの家の生まれだそうです。まさに劇中のエピソードそのままですね)。

彗星が出てくる(自分にとっての)同時代作品というと、「さらば宇宙戦艦ヤマト」の「白色彗星帝国」や「赤い彗星」を真っ先に連想します。前者は、宇宙空間を高速移動しながら後方に尾を引く彗星の姿と、その禍々しいイメージが、古来の彗星象が現代まで連綿と続いている実例として貴重かも。

_ S.U ― 2024年10月17日 07時32分29秒

確かに、あのばあさんのような方が昔は地方にいたのでしょうね。今は、もう老人にもほとんどいないでしょうから、これは昔を懐かしむ小説なのかもしれません。女性陣の中でも、ばあさんがいちばん魅力的と思いました。

では、彗星をストーリーの軸に据えた世界初、日本初のストーリー小説というと、なんでしょうか。日本では、海野十三の「火星兵団」でしょうか。

_ 玉青 ― 2024年10月19日 17時34分43秒

>彗星をストーリーの軸に据えた世界初、日本初のストーリー小説

目を世界に向ければ、まずはヴェルヌの『彗星飛行』(原題『Hector Servadac』 )に指を屈するのではないでしょうか。
日本ではどうでしょう、足穂の彗星モノは昭和初年に集中しているので、『火星兵団』に先行していますが、まあ「ストーリー小説」とも言い難いですね。

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