光学の授業 ― 2026年07月10日 16時40分09秒
この「天文古玩」も、すでに20年以上の星霜を経ています。
この間、いろいろな話題を取り上げ、多くの品を登場させました。でも、この狭い部屋の中に限っても、ここに登場してない品はまだまだたくさんあります。しかし、それは登場する価値が無いからではありません。
たとえば、この品はどうでしょう?
今から12年前に購入して、以来ずっと棚の上に鎮座しています。
これは木製台座の上でレンズを動かし、対象の見え方を観察させる「望遠鏡原理説明器」です。上の写真だと背景が暗くゴチャついているので、購入時の商品写真も載せておきます。
光学の理を説く理科教材の一種で、類似の品は日本でも、そしてたぶん今でも作られていると思いますが、これは19世紀のイタリア製で、フィレンツェの業者から送ってもらいました。
この場合、イタリア製というのが個人的に大きな意味を持ちます。
当然ガリレオの横顔も思い浮かぶし、ジョバンニとカムパネルラの教室にもこんな教具が置かれていたのではないか…と想像すると、これぞ天文古玩の保守本流という気が俄然してきます。
ここが定位置。これまた暗い写真で、何だかよく分らないと思いますが、20年間こういう風情に惹かれ続けて現在(いま)に至り、依然として変化と成長を続けているわけですから、我ながらなかなか根気強いというか、執念深いです。
コメント
_ S.U ― 2026年07月11日 11時33分22秒
_ 玉青 ― 2026年07月11日 13時56分38秒
まことにレンズは剣呑ですね。いわゆる「収斂火災」は、昔風の金魚鉢の例が有名ですが、最近はペットボトル火災も報告されているそうです。まあ何にせよ、この場合、常に「日陰者」でいてもらうことが、木製品の保存から言っても正解でしょう。
なお、この装置はレンズを溝に沿ってスライドさせると、自由に取り外せるので、実際には2個のペアで倍率の変化などを確かめたのだと思います。
なお、この装置はレンズを溝に沿ってスライドさせると、自由に取り外せるので、実際には2個のペアで倍率の変化などを確かめたのだと思います。
_ S.U ― 2026年07月11日 19時01分22秒
レンズばかりではありませんが、3枚使用の面白い例として、対物レンズの焦点に実像が映って見えるようにスクリーン(トレース紙など)を置き、ピントを合わせたあと対物レンズの逆側に凸レンズと目を置いて虫眼鏡のように拡大して見ます。きれいに拡大して見えたら、見たままトレース紙をどけてもケプラー式望遠鏡として見えるはずですが、果たしてどうか、という実験ができます。
_ 玉青 ― 2026年07月12日 18時37分23秒
この望遠鏡原理説明器には、レンズの他にスリットを刻んだ木製パーツが付属し、その用法がはっきりしませんでしたが、ご説明を聞いてきっとそれに違いないと思いました。他にも子供たちは自由な発想でいろいろレンズを並べ替えて、意外な発見をするでしょうし、これは単なる望遠鏡の原理説明にとどまらず、いろいろな実験を促す教具かもしれませんね。




この手の凸レンズものは、明るいところに移動すると、思わぬことで日光があたって火事を引き起こす恐れがありますので、旧態依然たる定位置の日陰で保管されるのが安全と老婆心ながら存じ申し上げます。