彗星酒場 ― 2017年07月20日 07時07分56秒
世間を見回すと、彗星を名乗るお酒はそこここにあるらしく、それだけで酒舗が開けそうです。手元にもそれらしいラベルがあるので、昨日からの勢いで話を続けます。
(右に並べたのはスコレス沸石)
今回はスペイン・バルセロナ生まれの「コメット」です。
醸造元のS.A. Damm (Sociedad Anónima Damm)は、1876年創業の老舗。
最近では「Estrella Damm (エストレージャ・ダム)」という銘柄で知られ、エストレージャとはスペイン語で「星」の意味ですから、昔も今も星とは縁のある蔵元です。
多色石版刷りの愛らしい「小芸術」。
時代的には、1900年前後のものと思います。
尾を曳く金色の星は、通俗的な彗星イメージですが、尾の表現はなかなか繊細でリアル。それによく見ると、背景の夜空の色が、下から上にかけて深みを増しており、この青のグラデーションだけでも、大いに賞賛に値します。
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さて、気になる彗星ビールの味わいは?
ラベルの「PILS」は、ピルスナー(ラガービールの一種)のことで、さらに「DOBLE」とありますから、ホップとモルトを増量し、度数も高めに仕上げた「ガツンと来る」タイプのビールなんじゃないかと思います。
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…と、知ったかぶりして書いていますが、上に記したことは、すべてネット情報を切り貼りした俄か仕込みの知識なので、明日になればビールの泡のごとく、記憶から消えてしまうでしょう。
でも、それを言い出したら、思い出も、人生も、全てうたかたのようなものですし、うたかただからこそ良いことだって、たくさんあるわけです。ここはひとつ、梅雨明け空を翔ぶ彗星のまぼろしを思い浮かべて、うたかたをガツンと干そうじゃありませんか。
(すみませーん、これと同じ奴をもう一杯、いや、二杯ください。)
コメント
_ S.U ― 2017年07月21日 08時39分40秒
彗星の尾にはダストの尾とイオンの尾があることがよく知られていますが、これらが、熟成と発泡を促すイメージを与えていたのではないかと感じました。
_ 玉青 ― 2017年07月21日 21時13分20秒
私は持っていないんですが、今回取り上げたのとはまた別のコメット・ビールがあって、そのラベルデザインは、壜を彗星本体に、そして壜の口からシューと噴き出す泡を彗星の尾に見立てていました。あれなんかは、まさにビールのダストテイルかもしれませんね。片やイオンテイルの方はどうでしょう?栓を抜いた瞬間に、プシュッと噴き出す炭酸ガスでしょうかね。
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