囚われのガリレオに会いに行く ― 2023年03月21日 05時57分37秒
ハロー、CQ、CQ、こちらはバチカン天文台 ― 2023年03月19日 10時54分14秒
ベネデッティ神父は1920年にロンドンで生まれ、1935年にイタリアのトリノでイエズス会に入り、1950年にインドのダージリンで叙階され、80年間をイエズス会士として、また66年間を司祭として活躍した。彼は、その長く魅力的な人生の中で、南米でも幅広く活躍した。1950年代にロンドンでエンジニアとしての訓練を受け、1978年にバチカン天文台に入り、望遠鏡のエンジニアとして働き、趣味のアマチュア無線「ハム」に熱心なことでも有名だった。
観測陣がアリゾナに移転するのに伴い、1988年にはツーソンに着任し、1992年までVATT(Vatican Advanced Technology Telescope、バチカン新技術望遠鏡)の機器開発に参加した。彼の特筆すべき業績は、アリゾナとアルゼンチンの望遠鏡で広く使用された偏光計VATTPolの開発に携わったことである。
天文台での仕事を終えた後も、VATTの所在地からほど近いウィルコックスの教区司祭としてツーソンに留まり、天文台のコミュニティと関わりを持ち続けた。1998年には、テキサス州コーパスクリスティに移り、80代半ばまで教区の仕事を続けた。2004年、引退してスペインに移住(ブラジルへも何度か旅行した)。」

彗星はどこにでも ― 2023年03月18日 10時20分58秒
三味線を弾く男 ― 2023年03月17日 17時13分48秒
お知らせ ― 2023年03月07日 07時08分04秒
太歳太白、壁に合す(たいさいたいはくへきにがっす) ― 2023年03月04日 09時47分38秒
山の星空 ― 2023年03月01日 19時03分36秒
天文アンティークの夕べ ― 2023年02月26日 08時44分06秒
黄金の星図集(後編) ― 2023年02月26日 08時31分00秒
そこにあるのは、例えばペガスス座とカシオペヤ座のこんな姿です。
本書はまぎれもなく天文書であり、これは星図なのですから、当然といえば当然ですが、その星の配置はきわめて正確です。しかし、その星の並びを覆い尽くすように描かれた星座絵の何と華麗なことか。
美麗にして豪奢、19世紀ウィーンに乱れ咲いた、まさに宝物のような星図集です。まあ、実際に星見のガイドに使うことを考えると、星よりも星座絵のほうが目立ってしまって使いにくいと思いますが、ここまでくれば、それはあまり大した問題ではないでしょう。
(おとめ座とへびつかい座)
(さそり座とりゅう座・こぐま座)
こんな具合に、本書は32枚(すべて裏面は空白)の「黄金の星図」によって北半球から見た星空を描き、
さらに巻末にはこんなアレゴリカルな図が載っているかと思えば、
冒頭を彩るのは、美しい12星座の口絵で、
しかも折り込みで、さらに大判の豪華な北天星図まで付属するのですから、もはや何をか言わんやという感じです。
★
ここに収められた星座絵を、私は「ユーゲント・シュティール」、すなわちフランスのアール・ヌーヴォーに相当するドイツ語圏の様式と見たんですが、ユーゲント・シュティールが幅を利かせたのは、19世紀も末のことなので、本書が刊行された1858年とは年代が合いません。果たしてこういう様式を何と呼ぶべきか、あるいはイギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動がウィーンにまで飛び火したんでしょうか?識者のご教示をいただければと思います。
【2月26日夕刻 付記】 いろいろ考え合わせると、年代的・様式的に符合するタームは「ラファエル前派」ですね。ただ、イギリス生まれのラファエル前派とウィーンの媒介項は依然不明です。
これら一連の石版画を制作したのは、「ライフェンシュタイン&レッシュ芸術社(Artistische Anstalt von Reiffenstein & Rösch)」で、ネットで検索すると同社の手掛けた作品がいろいろ出てきますが、その歴史は今一つはっきりしなくて、19世紀のウィーンで活動した石版工房という以上の情報は得られませんでした。
黄金の星図集(前編) ― 2023年02月25日 16時28分09秒
『Sternbilder-Buch』(星図の本)
L. C. Zamarski, C. Ditmarsche & Comp. (Wien), 1858.
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