謎の星座早見時計2024年03月07日 06時01分27秒

時計といえば、なんだか妙な時計を見つけました。(この時計はウクライナの人が「ビンテージ」と称して販売していました。)


「星座早見盤を組み込んだ腕時計でしょ?ぜんぜん妙じゃないじゃん」と、普通の人なら思うでしょう。もちろん私もそう思いました。加えて、「まあ安価な品だったら、恒星時に対応した正確な星空を再現するのではなく、星座盤が24時間で一周するだけかもしれんなあ…」とも。(その実例はすでに登場ずみです ⇒ LINK

でも、この時計はそんなものではなかったのです。
これは、星座盤がかちかちと素早く回転する、つまり星座盤が秒針の役割を果たしている時計なのでした。要するにこの星座早見盤っぽいギミックは、完全に見掛け倒しで、そういわれてみれば、表現されている星空も、現実の星座に全然対応していません。

(時計の針の上を白い星をプリントした透明盤がくるくる回ります。針の下にある金色の天の川と月は固定。)

まあ、そういうトイウォッチがあっても別に悪くはありません。
でも、そもそもこの時計を作った人は、なぜこういうデザインを思いついたのか?…その点に私の興味は集中しました。

(文字盤の周囲に1~31の数字が書かれていて、いかにもカレンダー機能がありそうですが、ありません)

普通に考えると、星空っぽいものがくるくる回るのが何となく面白い…という点を除けば、そこには何の意味もないように見えます。でも、何の意味もないものを作ることは、むしろ至難のことですから、やっぱりそこには何か意味があるのではないか?

たとえば、「見た目にだまされて買う奴がいるかもしれんぞ」という、一種のイカサマ商品である可能性は、真っ先に考慮されねばなりません。あるいは、「どっちにしろ低コストで正確な星空を再現するのは無理なんだから、いっそのこと派手に回してやろうじゃないか」という、振り切った思いがそこにはあったかもしれません。

ただ、そうした人間臭い理由を排除すると、残る可能性はただ1つです。
すなわち、これは1分間で自転する惑星からきた異星人が故郷を懐かしんだ作ったものであり、この見慣れぬ星空は彼らの惑星から見た星座を表現しているのだ…というのが、いちばん理にかなった解釈だと思います。


表にも裏にも、メーカー名や製造国の記載が一切ないことも、この推測を強力に裏付けています。

コメント

_ S.U ― 2024年03月07日 13時40分32秒

これだけの大きさの板を高速で回し続けるには、かなりのエネルギーが必要と思いますが、これは手巻き式の機械時計なのでしょうか。だったら、1日に2回以上巻く必要はないでしょうか?

_ 玉青 ― 2024年03月10日 08時02分44秒

お見込みのとおり、これは手巻き式で、そこは気に入ってます。
でも1回巻くとどれぐらいもつんでしょうね?さすがに常用しているわけではないので、その点は不明です。
もう1件のコメントについてもありがとうございました。私もだいぶ記憶が薄らいでいますが、石蹴りの話題、そういえばありましたね。

_ S.U ― 2024年03月10日 10時41分06秒

手巻きよろしいですね。私は軽量の自動巻きが出た頃の世代で手巻き経験はありません。私が高校生の時代は、女性ものとか小さいものはまだ手巻きでした。自動巻きは独特の慣性があるのでわかりました。

 1日1回手巻きでもつか持たないかで、ビジネス転用可の品かギミックトイ専用かわかると思いますので、もしよろしければ一度お試しください。どちらみち常用されるおつもりがないということですから、どちらでもよろしいようなものではありますが。

_ 玉青 ― 2024年03月24日 08時29分41秒

ブログもしばらく放置状態で、いささか間の抜けたお返事になり恐縮ですが、ここはどうぞ遠い異国の友と文通していると思召せ(ペンパルというやつですね)。
さて、さっそく時計の実験に着手し、先ほど十分にゼンマイを巻き上げました。これでどこまでもつか? 結果は後ほどご報告します。

_ 玉青 ― 2024年03月26日 05時49分44秒

答が出ました!朝の8時半に巻き上げると、翌日の24時45分まで動作します(星座版も回転します)。動作継続時間はトータル40時間15分。ただし、止まるちょっと前から針の進みが遅れ始めるので、実用的には40時間弱といったところかと。まあこれなら実用性あり、と言えるかもですね。時計自体の精度もまあまあでした。

_ S.U ― 2024年03月26日 06時55分28秒

ご調査ありがとうございます。意外にも(といっては失礼?)実用品なのですね。だとしますと、手巻き時計としての独立した価値も持っている物で、一挙両得、一石二鳥と言えるのではないでしょうか。
 1970年代までの、日本製の小さめの(当時の言葉で「婦人用」)腕時計や自動巻きは放置で2~3日もったと思います。大きめの手巻きはどうだったか常用したことはないのでわかりません。週末にネジ巻きをサボると月曜の朝は止まっていたということもあったかもしれません。たぶん、お手持ちの時計と似たようなものだったと思います。

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