驚異への扉を開く2024年04月11日 05時36分56秒

奇想のイベント「博物蒐集家の応接間」のご案内を、主催者である antique  Salon さんからいただきました。


■博物蒐集家の応接間―気配 悪戯な天使
 2024年4月20日(土)~4月23日(火)
 12:00~19:00(最終日は17:00まで)
 会場:antique Salon
 (名古屋市中区錦2-5-29 えびすビルパート1 2F)

今回はアンティークショップとして antique Salon(名古屋)メルキュール骨董店(長野)JOGLAR(神奈川)の皆さんが、またクリエイターとして、いしかわゆか犬飼真弓#ISO1638400eerie-eery山掛とろろ伽十心RISA OKADAひんArii Momoyo Pottery川島朗の皆さんが参加されます。今回クリエイターさんの数が多いのは、名古屋を拠点に活動するクリエイター・グループ、「#casement13」とコラボされていることによるようです。

   ★

「博物蒐集家の応接間」は、2015年に名古屋の antique Salon さんの店舗で開催されたのが第1回で、以後は東京をはじめ、神戸や大阪の各地で開催されてきました。そして節目の第10回は、ふたたび名古屋での開催です。


思い起こすと、第1回の会場でお会いした方々の顔が懐かしく浮かんできます。
いきなり回想モードに入るのもどうかと思いますが、でも趣味の世界にあって9年という歳月は、その世界の住人を、揺りかごから冒険の旅へと駆り立て、老練な人間に鍛え上げ、静かな回想へといざなうのに十分な長さです。


博物趣味の世界にあっても同様で、老獪…とまでは言わないにしろ、あの第1回の会場に集った方たちも、それぞれに年輪を重ね、成長を遂げられ、もはや昔日の談ではないでしょう。十年一日のごとき私にしても、やっぱり変化した部分はあるはずです。


そこには良い変化もあるし、初々しさが失われたという意味で、必ずしも良いとばかりはいえない変化もあります。でも、 antique Salon さんに譲っていただいた、小さな驚異の断片を前にすれば、

「目慣れただけで汲み尽くせるようなものを、キミは驚異と呼ぼうというのかい? キミは‘驚異’を‘目新しさ’と取り違えているんじゃないのか? そもそも、キミはボクの何を知っているというのか? 」

という声がしきりに聞こえてくるのです。


そんなことを自問しながら、悪戯な天使が待つ会場を訪ねようと思います。

コメント

_ S.U ― 2024年04月13日 08時20分39秒

すでにご存じの情報かもしれませんが、先週日曜のEテレの「アートシーン」で、豊田市美術館での特別展「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」というのが紹介されていました。TVで紹介された範囲では、あまり理科室趣味とは関係なさそうで指向がよくわかりませんでしたが、一応ご紹介申し上げます。

https://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/wunderkammer/

_ 玉青 ― 2024年04月13日 16時05分52秒

ありがとうございます。この展覧会は先日新聞で見て気になっていました。
現代美術の目でヴンダーカンマーを捉えなおすというのは、かつてマーク・ダイオンの展示や、その申し子である今のインターメディアテクもそうなのでしょうが、今回は「グローバル化が進み、急速に均質化しつつある世界」の中で、ヴンダーカンマーは再生しうるのかという問いが出発点らしく、それが成功しているかどうかは実際に自分の目で見て判断しないといけませんが、一種の思考実験としては面白いと思いました。幸いチケットは入手済みなので、今度行ってこようと思います。

_ S.U ― 2024年04月14日 15時13分54秒

そのように言われると、現代美術の視点で見たヴンダーカンマーというのも成立するのですね。現代でも、もちろん、現代科学の科学博物館というのがあって、そこでは過去の成果と連続する最先端の科学を美的に配置しているわけですから、それを逆の方向に考えると何が起こるのか、というところに注目したいと思います。

_ 玉青 ― 2024年04月16日 18時33分21秒

過去のヴンダーカンマーを現代に再生するとか、未来のヴンダーカンマーを構想するとかいっても、それは今あるミュージアムそのもののような気もするし、考え出すと頭がぐるぐるしてきますね(笑)。それこそがまさに「ヴンダー」なのかも。

ときに別件ですが、協会掲示板にジョン・ハーシェル会議の続報を載せました(さっそくチケットも確保しました)。

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